リライティング日 : 2026年 03月 27日
【要約】
NIPT(新型出生前検査)は母体血液から胎児染色体異常リスクを高精度で評価できる検査ですが、受けるか否かは医学的要因だけでなく価値観も重要です。本記事では医師が検査の特徴・限界・受検目的をわかりやすく解説します。
目次
【医師が解説】NIPTを受けるか迷っているあなたへ
妊娠がわかった瞬間から、日々の喜びと同じくらい、不安やとまどいも生まれてきます。
そのなかでも「NIPT(新型出生前検査)を受けるべきなのか」という悩みは、今や多くの妊婦さんにとって非常に身近なものになりました。近年、NIPTは高い精度で情報を得られる検査として注目されていますが、同時に「もし結果が気になるものだったらどうしよう」「自分の場合は受けたほうがいいのだろうか」と迷う声も少なくありません。
我々seeDNA遺伝医療研究所にも、こうした相談が毎日のように寄せられています。NIPTは確かに有用な検査ですが、誰にとっても“受ければ安心”という単純な答えがあるわけではありません。大切なのは、検査の特徴や限界を理解し、自分たちの価値観に沿って判断することです。
◆ NIPTとは何か

◆ NIPTと従来検査の違い

NIPTがどのように優れているのかをイメージしやすいよう、従来の母体血清マーカー検査と比較した表を以下にまとめました。
表1:NIPTと母体血清マーカー検査の比較
|
項目 |
NIPT |
母体血清マーカー検査 |
|
精度(21トリソミー) |
感度・特異度ともに99%以上(1) |
感度 約80%前後(4) |
|
検査方法 |
母体血採血のみ |
血液検査+超音波所見 |
|
流産リスク |
なし |
なし |
|
判定内容 |
染色体異常の可能性(高/低リスク) |
同じく可能性を評価 |
|
結果の確定 |
高リスクの場合は羊水検査が必要 |
同じ |
従来の検査と比較すると、NIPTは「負担が少ない」「より正確に評価できる」という特徴が際立っていることがわかります。
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◆ NIPTを受ける目的を考える

NIPTを受けるかどうかを決める際、医学的な要因だけで判断する必要はありません。むしろ、多くの妊婦さんにとって大切なのは、「自分たちにとって何を知ることが重要なのか」という価値観の部分です。
検査を受けることで、赤ちゃんの状態について早く知る安心感が得られることもあれば、結果が出るまでの期間に強い不安を抱える可能性もあります。高リスク結果だった場合にどう行動するのか、羊水検査を検討するのかといった点も、事前にご夫婦で話し合っておきたいところです。
一方で、「特に医学的リスクはないが、漠然とした不安を少しでも軽くしたい」という理由で受検する方も珍しくありません。実際、seeDNA遺伝医療研究所に寄せられる相談の多くも、このような“安心を得たい”という気持ちから始まっています。
◆ 医学的リスクから見たNIPTの意義

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◆ まとめ

NIPTを受けるかどうかは、医学的事実と同じくらい、妊婦さんとそのご家族の価値観が深く関わる問題です。検査の特徴と限界を正しく理解したうえで、自分たちにとって何が大切なのかをじっくり考えることが、後悔のない選択へとつながります。
seeDNA遺伝医療研究所では、最新の学術研究と豊富な経験に基づいて、一人ひとりの妊婦さんに寄り添ったサポートを行っています。不安や疑問があれば、どうか遠慮なく相談してください。あなたの選択が、より安心できる妊娠期につながることを心から願っています。
よくある質問(FAQ)
Q1. NIPT(新型出生前検査)とはどのような検査ですか?
NIPTは母体の血液に含まれる胎児由来DNA(cffDNA)を解析し、21・18・13トリソミーなどの染色体数の異常リスクを評価する検査です。採血のみで行えるため身体的負担が少なく、21トリソミーについては感度・特異度ともに99%を超える結果が報告されています。
Q2. NIPTで低リスクと判定されれば100%安心ですか?
NIPTは診断ではなくスクリーニング検査であるため、低リスクであっても100%安心とは言えません。また高リスクと判定されても必ず異常があるとは限らず、確定診断には羊水検査が必要です。さらに胎盤と胎児の遺伝情報が一致しない胎盤モザイクの場合、結果にズレが生じる可能性もあります。
Q3. NIPTと従来の母体血清マーカー検査はどう違いますか?
21トリソミーの感度はNIPTが99%以上であるのに対し、母体血清マーカー検査は約80%前後です。検査方法はNIPTが母体血採血のみで完結する一方、母体血清マーカー検査は血液検査と超音波所見を組み合わせます。両者ともに流産リスクはなく、高リスクの場合は羊水検査での確定診断が必要となります。
Q4. どのような妊婦さんにNIPTが推奨されますか?
35歳を超えると21トリソミーの発生率が1/350程度に上昇するため高齢妊娠の方、超音波検査でNT肥厚・鼻骨低形成・胎児浮腫などの所見が認められた方、過去に染色体異常の妊娠歴がある方、母体血清マーカー検査で高リスク判定が出た方などにNIPTが選択肢となります。ただし、医学的リスク因子がない方が安心を得るために受検することも自然な選択です。
参考文献
(2) Maternal age-specific risk for trisomy 21『Journal of Medical Screening、2002年3月』
(3) Recurrence risk of chromosomal abnormalities
in subsequent pregnancies『Prenatal Diagnosis、2005年12月』
お腹の赤ちゃん疾患リスクの不安や血縁関係、パートナーの浮気などにお悩みでしたら、DNA鑑定の専門家が、しっかりとご安心いただけるようサポートいたしますのでお気軽にお問合せください。
著者
医学博士・医師
広重 佑(ひろしげ たすく)
医学博士、日本泌尿器科学会専門医・指導医、がん治療学会認定医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医、日本抗菌化学療法学会認定医、性感染症学会認定医、Certificate of da Vinci system Training As a Console Surgeonほか
2010年に鹿児島大学医学部を卒業後、泌尿器科医として豊富な臨床経験を持つ。また、臨床業務以外にも学会発表や論文作成、研究費取得など学術活動にも精力的に取り組んでいる。泌尿器科専門医・指導医をはじめ、がん治療、抗加齢医学、感染症治療など幅広い分野で専門資格を取得。これまで培った豊富な医学知識と技術を活かして、患者様一人ひとりに寄り添った医療を提供している。
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