リライティング日 : 2026年 03月 29日
【専門家が解説】中絶後にDNA鑑定はできるの?|胎児組織を用いた父子鑑定の方法・流れ・注意点を徹底解説
【要約】
中絶後でも胎児組織が適切に保存されていればDNA鑑定は可能です。本記事では、絨毛膜・胎盤・臍帯などの検体の種類、鑑定の流れ、初期/中期/薬剤中絶による違い、注意点を専門家が解説します。
目次
- 中絶後でもDNA鑑定はできるの?
- 鑑定に使われる胎児の検体
- 鑑定のしくみ
- 中絶方法の違いと影響
- 中絶後DNA鑑定のメリットと注意点
- まとめ
- よくある質問(FAQ)
- 参考文献
- 著者情報
- seeDNAへのご相談
◆ 中絶後でもDNA鑑定はできるの?

◆ 鑑定に使われる胎児の検体

胎児の検体(サンプル)は、中絶の方法や週数によって変わります。下表に検体ごとの特徴をまとめました。
| 検体の種類 | 採取時期 | 特徴・注意点 |
|---|---|---|
| 絨毛膜(じゅうもうまく) | 初期中絶(〜11週6日) | 胎児由来の組織。母体細胞が混ざりやすいため処理が必要 (2)。 |
| 胎盤・臍帯(さいたい) | 中期中絶(12〜21週6日) | 組織が明瞭で検体として扱いやすく、鑑定精度が高い。 |
| 羊水 | 妊娠中(羊水穿刺) | 出生前の親子鑑定で使用される代表的な検体 (3)。 |
絨毛膜(じゅうもうまく)
初期中絶で得られる胎児の組織。母体細胞が混ざりやすいので処理が必要です。
胎盤・臍帯(さいたい)
妊娠が進むと胎盤や臍帯がはっきりしてくるため、検体として扱いやすくなります。
羊水
妊娠中に羊水穿刺で採取します。出生前の親子鑑定で使われることが多いです (3)。
◆ 鑑定のしくみ

DNA鑑定は次の流れで行われます。
- 検体の採取と保存:中絶手術の際に胎児組織を採取し、冷蔵・冷凍で保存します。
- DNAの抽出と解析:胎児と母親、父親候補のDNAを取り出し、STR・SNPというマーカーを調べます (1)。
- 結果の判定:複数のマーカーの一致率から父権肯定確率を計算し、父子関係を判断します。
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◆ 中絶方法の違いと影響

| 中絶方法 | 時期 | 鑑定可否 |
|---|---|---|
| 初期中絶(吸引法) | 〜11週6日 | 絨毛膜が採取できれば可能(母体組織混入に注意)(2) |
| 中期中絶 | 12〜21週6日 | 胎盤・臍帯が確保しやすく鑑定に適している |
| 妊娠22週以降 | 22週〜 | 法律上、原則中絶は不可 |
| 薬剤中絶 | 初期 | 検体確保が困難なため、ほぼ鑑定不可 |
● 初期中絶(〜11週6日)
吸引法などで子宮内容物を取り出すため、絨毛膜が採取できれば鑑定可能です。ただし母体組織が混ざりやすく、検体の質が結果に影響します(2)。
● 中期中絶(12〜21週6日)
胎盤・臍帯がしっかりしてくるので、検体が確保しやすく鑑定に向いています。
● 妊娠22週以降
妊娠22週を過ぎると、胎児が一定の生存可能性を持つ時期に入るため、法律上の制限が非常に厳しく、原則として中絶は行えません。
● 薬剤中絶
胎児組織が自然に排出されるため、
- 組織が崩れやすい
- 母体と混ざる
- DNAが取り出しにくい
という理由から、鑑定に必要な検体を確保することはほぼ不可能です。
◆ 中絶後DNA鑑定のメリットと注意点

メリット
- 父子関係をはっきりさせることができる (1)
- 将来のトラブルを防ぎやすい
- 正しい手順で行えば、裁判などで証拠として使える場合もある
注意点
- 検体の状態によっては鑑定できない場合がある
- 母体細胞の混入で結果が不安定になることがある
- 精神的な負担が大きくなる場合がある
- 法的に有効かどうかはケースごとに異なる
◆ まとめ

- 中絶後の胎児組織を使ったDNA鑑定は、条件が揃えば可能です。
- 鑑定には胎児の組織に加え、母親と父親候補の検体も必要です。
- 薬剤中絶では検体が確保しにくいため、ほとんど鑑定できません。
- 検討する場合は、中絶を行う医療機関や seeDNA遺伝医療研究所 に早めに相談することをおすすめします。
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よくある質問(FAQ)
Q1. 中絶後でもDNA鑑定はできますか?
中絶手術で取り出された胎児組織が正しく保存されていれば、DNA鑑定ができる場合があります。ただし、すべての医療機関が対応しているわけではなく、検体の状態によっては鑑定できないこともあります。
Q2. 鑑定にはどのような胎児の検体が使われますか?
中絶の方法や週数によって異なります。初期中絶では絨毛膜(じゅうもうまく)、妊娠が進むと胎盤・臍帯(さいたい)、また妊娠中の羊水穿刺で採取される羊水が検体として使われます。
Q3. 薬剤中絶でもDNA鑑定はできますか?
薬剤中絶では胎児組織が自然に排出されるため、組織が崩れやすく、母体と混ざりやすく、DNAが取り出しにくいという理由から、鑑定に必要な検体を確保することはほぼ不可能です。
Q4. 中絶後DNA鑑定のメリットは何ですか?
父子関係をはっきりさせることができ、将来のトラブルを防ぎやすくなります。また、正しい手順で行えば、裁判などで証拠として使える場合もあります。
Q5. 中絶後DNA鑑定の注意点はありますか?
検体の状態によっては鑑定できない場合があり、母体細胞の混入で結果が不安定になることがあります。また、精神的な負担が大きくなる場合があり、法的に有効かどうかはケースごとに異なります。
◆ 参考文献
(1) Forensic DNA Analysis of Fetal Tissue Samples
『Forensic Science International, 2023年』
(2) Assessment of Maternal Cell Contamination
in Prenatal Samples『Methods in Molecular Biology, 2018年』
(3) Prenatal DNA Testing Using Amniotic Fluid Samples
『Cellular and Molecular Biology, 2016年』
◆ 著者情報
著者
医学博士/遺伝子解析担当:A.M.
2015年東京医科歯科大学大学院 医学博士課程を修了後、同大学整形外科にて特任研究員および研究補佐員として勤務。
2018年より株式会社seeDNAに入社後、STR鑑定5,000件以上、NIPPT鑑定約4,000件以上の検査やデータ解析、研究開発などを担当。
正確性と品質管理を徹底することで、鑑定ミス「0」を継続中。これまで培った研究経験と分析力を活かし、お客様に安心と信頼をお届けできるよう、品質向上に日々取り組んでいます。

◆ seeDNAへのご相談
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