【医師が解説】新型出生前診断(NIPT)で性別はわかるの?
妊娠中、赤ちゃんの性別を知ることは多くのご家族にとって大きな楽しみの一つです。従来は超音波(エコー)検査で判明するのを待つのが一般的でしたが、近年ではNIPT(新型出生前診断)によって、より早期に、かつ高い精度で性別を知ることが可能になりました。
本記事では、NIPTによる性別判定の仕組みや精度、超音波検査との違い、そして検査を受ける前に知っておくべき注意点について解説します。
◆ NIPTで性別がわかる仕組みと精度

<判定のメカニズム>
- Y染色体が検出された場合:赤ちゃんは「男の子」と判定されます。
- Y染色体が検出されなかった場合:赤ちゃんは「女の子」と判定されます。
<判定の精度>
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◆ NIPTと超音波(エコー)検査の違い

性別を知る手段として一般的な超音波検査とNIPTには、判定可能な時期や仕組みに明確な違いがあります。
【表1】NIPTと超音波検査の性別判定比較
超音波検査では、赤ちゃんの体勢によって性器が見えないことがあり、確定するのに数週間かかることも珍しくありません。一方、NIPTはDNAを直接調べるため、物理的な条件に左右されにくいというメリットがあります。
◆ 判定が難しいケースや注意点

NIPTは高精度ですが、100%の結果を保証するものではありません。特定の条件下では、判定が保留になったり、正確な結果が得られなかったりすることがあります。
① 母体のBMIが高い場合
母体の肥満度(BMI)が高いと、血液中の母親由来のDNAが増加し、相対的に胎児由来のDNA濃度(Fetal Fraction)が低下してしまう傾向があります。胎児のDNA量が不足すると解析が困難になり、性別判定の精度が下がる、あるいは判定不可となるリスクが高まります [2]。
② 双子(双胎)妊娠の場合
双子の妊娠でY染色体が検出された場合、「少なくとも1人は男の子」であることは分かりますが、2人とも男の子なのか、1人が男の子で1人が女の子なのかを区別することはできません。
③ 稀な遺伝的要因
非常に稀ですが、性分化疾患(DSD)や性染色体の異数性がある場合、NIPTで示された染色体上の性別と、出生後の外見上の性別が一致しないケースも報告されています。
◆ 性別を知ることのメリットと向き合い方

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まとめ

NIPTは妊娠初期から高い精度で性別を知ることができる科学的な手法です。しかし、母体の体質(BMIなど)による影響[2]や、生物学的な例外も存在します。検査を受ける際は、メリットだけでなく、こうした限界や本来の検査目的を正しく理解した上で検討することが大切です。
参考文献
[1] Prenatal Diagnosis. 2019 Oct
[2] Kosin Medical Journal. 2025 Jun
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著者
医学博士・医師
広重 佑(ひろしげ たすく)
医学博士、日本泌尿器科学会専門医・指導医、がん治療学会認定医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医、日本抗菌化学療法学会認定医、性感染症学会認定医、Certificate of da Vinci system Training As a Console Surgeonほか
2010年に鹿児島大学医学部を卒業後、泌尿器科医として豊富な臨床経験を持つ。また、臨床業務以外にも学会発表や論文作成、研究費取得など学術活動にも精力的に取り組んでいる。泌尿器科専門医・指導医をはじめ、がん治療、抗加齢医学、感染症治療など幅広い分野で専門資格を取得。これまで培った豊富な医学知識と技術を活かして、患者様一人ひとりに寄り添った医療を提供している。
