DNAカセットテープが全人類の楽曲を保存可能に?仕組み・容量・寿命を徹底解説

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2025.12.25

親子DNA鑑定

DNAカセットテープが全人類の楽曲を保存可能に?仕組み・容量・寿命を徹底解説

リライティング日 : 2026年 04月 02日

【要約】
中国・南方科技大学が開発した「DNAカセットテープ」は、1kmのテープに362PBを記録し、-20℃で最大2万年の保存が可能。書き換えとランダムアクセスを実現し、次世代アーカイブストレージとして注目されています。

目次

【専門家が解説】超大容量のDNAカセットテープ

デジタルデータの爆発的な増加に伴い、次世代のストレージとして「DNAデータストレージ」が注目されています。DNAは人の設計図として様々な遺伝情報が刻まれていますが、DNAを使えばパソコンの既存の半導体によるハードディスクより大容量のデータを安定的に保存できるのです。

中国の南方科技大学などの研究チームが発表した最新技術は、1980年代のカセットテープの構造を応用し、従来の限界を突破する驚異的な性能を実現しました (1)(2)。

◆ DNAカセットテープの3つの主要スペック

DNAカセットテープの3つの主要スペック

  • 圧倒的な記録容量:1kmのテープに約362ペタバイト(PB)のデータを記録可能。これは最新スマートフォンの約150万倍の容量に相当します。
  • 驚異的な保存寿命:室温で約300年、凍結保存(-20℃)した場合は「最大2万年」もの間、データを損失することなく保持できると推定されています。
  • 書き換え機能:従来の「液体保存方式」では困難だったデータの特定・書き換え・削除を、磁気テープのような構造を採用することで可能にしました (1)。
項目 仕様
記録容量 1kmあたり約362PB(スマホ約150万倍)
保存寿命(室温) 約300年
保存寿命(-20℃) 最大約20,000年
主要機能 書き換え/削除/ランダムアクセス可能
開発機関 中国・南方科技大学 ほか

◆ なぜ「DNA」と「テープ」を組み合わせたのか?

なぜDNAとテープを組み合わせたのか

従来のDNA保存技術は、液体中でデータを管理するため、特定の情報を探すのに時間がかかる点が課題でした。研究チームは、ナイロン製のテープ上に微細なバーコードを配置し、その上にDNA液を付着させる「DNAカセットテープ」を開発。これにより、コンピュータのファイル管理のように、必要なデータへ迅速にアクセス(ランダムアクセス)することが可能になりました (2)。

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◆ 既存メディア(HDD・SSD)との比較

既存メディア(HDD・SSD)との比較

現在の主力であるHDDやSSDの寿命は長くても10〜20年程度であり、数年おきのデータ移行が不可欠です。対してDNAテープは、エネルギー消費を抑えながら超長期的な保存が可能なため、公文書、科学的記録、文化遺産といった「コールドストレージ(アーカイブ)」用途に最適です (2)。

媒体 寿命 記録密度 消費電力 主な用途
HDD 約5〜10年 一般データ保存
SSD 約10〜20年 高速処理用途
磁気テープ 約30年 業務アーカイブ
DNAカセットテープ 最大20,000年 超高(PB級) 極低 長期コールドストレージ

◆ 実用化への展望

DNAカセットテープの実用化への展望

現在は読み書きの速度に課題がありますが、マイクロ流体技術の進化により高速化が進んでいます。シリコン半導体の物理的限界が近づく中、このDNAカセットテープは、人類の知識を数千年にわたって受け継ぐ「究極のタイムカプセル」となる可能性を秘めています (1)(2)。

よくある質問(FAQ)

Q1. DNAカセットテープはどれくらいのデータを保存できますか?

1kmのテープに約362ペタバイト(PB)のデータを保存可能で、これは最新スマートフォンの約150万倍に相当します。

Q2. DNAデータの保存寿命はどのくらいですか?

常温で約300年、-20℃で凍結保存した場合は最大約2万年保持できると推定されています。

Q3. 既存のHDDやSSDと何が違いますか?

HDD・SSDは寿命が10〜20年で定期的なデータ移行が必要ですが、DNAテープは数千年単位の長期保存と低消費電力を実現します。

Q4. DNAデータの書き換えは可能ですか?

従来の液体DNA保存方式では難しかった書き換え・削除・特定アクセスが、テープ構造の採用により可能になりました。

Q5. 実用化の課題は何ですか?

現在は読み書き速度の遅さが主な課題ですが、マイクロ流体技術の発展により高速化が進められています。

参考文献

(1) DNA Data Storage Cassette Tape『Gigazine、2025年12月』

(2) DNA cassette tape can store every song ever recorded『NewScientist、2025年9月』

(3) Random access in large-scale DNA data storage『Nature、2019年3月』

著者情報

医学博士/富金 起範

筑波大学、生体統御・分子情報医学修士/博士課程卒業
2017年に国内初となる微量DNA解析技術(特許7121440)を用いた出生前DNA鑑定(特許7331325)を開発

著者 富金起範

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