【専門家が解説】なぜ、赤ちゃんが生まれてからの親子鑑定のほうが安いの?

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2025.12.29

胎児DNA鑑定

親子DNA鑑定

【専門家が解説】なぜ、赤ちゃんが生まれてからの親子鑑定のほうが安いの?

【専門家が解説】なぜ、赤ちゃんが生まれてからの親子鑑定のほうが安いの?

親子鑑定は、実施するタイミングによって検査費用に大きな差があります。

一般的に、生まれた後に行うDNA親子鑑定は約25,000円前後で検査できるのに対し、出生前に行う胎児DNA親子鑑定では100,000〜250,000円程度が相場とされています。

この価格差は、検査機関ごとの設定差ではなく、検査の原理そのものの違いに由来します。

seeDNA遺伝医療研究所では、費用の違いを正しく理解していただくために、検査の仕組みと技術背景を丁寧に説明することを重視しています。

◆ 親子鑑定はどのように行われるのか

親子鑑定は、「子どもは両親それぞれからDNAを半分ずつ受け継ぐ」という遺伝の基本法則に基づいています。
検査では、子どものDNA型と親のDNA型に遺伝的に矛盾しないかを、統計学的に評価します。
このとき重要なのは、
どのDNA領域(マーカー)を比較対象とするか
という点です。

出生後鑑定と出生前鑑定では、このマーカーの選択と解析設計が大きく異なります。

 

◆生まれた後の親子鑑定:STRを用いた確立技術

出生後の親子鑑定では、口腔粘膜や血液などから、子ども本人のDNAを直接採取できます。DNA量が十分で品質も安定しているため、解析は比較的シンプルです。

この検査で主に用いられるのが、「STR(Short Tandem Repeat:短鎖反復配列)」です。

STRは、短いDNA配列が何回繰り返されているかという「回数の違い」に個人差がある領域で、以下のような特徴を持ちます。

  • 親から子へ規則的に遺伝する
  • 個人識別能力が非常に高い
  • 少数の遺伝子座でも高精度な判定が可能

このため、STR解析は法医学分野で数十年にわたり使用されており、

親子鑑定においても16~24座位程度の解析で十分な判定精度が得られます[1]。

技術が成熟しており、解析工程が標準化・自動化されていることも、

出生後鑑定が比較的低コストで提供できる理由の一つです。

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出生前の親子鑑定:SNPとcfDNA解析の必要性


一方、出生前の胎児DNA鑑定では状況が大きく異なります。

胎児のDNAは、母体の血液中に「cfDNA(cell-free DNA)」としてごく微量に存在しており、母体DNAと混在した状態で解析しなければなりません。

このような条件下では、STRのような少数マーカーでは情報量が不足するため、「SNP(Single Nucleotide Polymorphism)」と呼ばれる1塩基差のDNAマーカーを、数百か所同時に解析する手法が用いられます[2]。

SNP解析は、もともとNIPT(新型出生前検査)の分野で発展してきた技術であり、大量のデータを統計的に統合して結論を導く必要があります[3]。

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◆ STRとSNPの違い(まとめ)

項目

STR

SNP

DNAの違い

繰り返し回数の差

1塩基の差

使用マーカー数

16~24座位程度

数百~数千

主な用途

出生後の親子鑑定、法医学

出生前鑑定、NIPT

解析難易度

比較的低い

非常に高い

コストへの影響

低コスト

高コスト

 

 なぜ費用差が生じるのか

出生前鑑定では、

  • 胎児DNA量が極めて少ない
  • 母体DNAとの混在を考慮する必要がある
  • 高度な統計解析と厳格な品質管理が不可欠

といった要因が重なります。

その結果、検査設備・解析工程・専門人材のいずれも高度化し、出生後鑑定と比べて費用が高く設定されるのです。

 

◆ まとめ

生まれた後の親子鑑定が比較的安価に受けられるのは、STRを用いた確立済みの技術で、解析対象が明確だからです。
一方、出生前の胎児DNA鑑定は、SNPとcfDNA解析を用いた高度な医療レベルの検査であり、その技術的背景が費用に反映されています。
seeDNA遺伝医療研究所では、検査結果だけでなく、その裏にある仕組みや限界についても正しく理解していただくことを大切にしています。
 
seeDNA遺伝医療研究所の各種DNAの費用・期間についてはこちらをご覧ください。

 

参考文献

[1] Butler, J. M. Cold Spring Harbor, 2007

[2] Lo, Y. M. D. et al., The Lancet, 1997

[3] Bianchi, D. W. et al., New England Journal of Medicine, 2014

公式サイト:
https://seedna.co.jp/

親子DNA鑑定に関する不安や疑問、パートナーの浮気などにお悩みでしたら、遺伝子検査の専門家が、しっかりとご安心いただけるようサポートいたしますのでお気軽にお問合せください。


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監修者

農学博士/研究員:L. J.

東京農工大学大学院で博士号取得後、東京大学にて研究員として勤務。 現在は生体情報科学を専門とし、seeDNAにてデータ解析や遺伝子検査の解析技術開発に携わっている。
seeDNA遺伝医療研究所医学博士