【医師が監修】NIPTで陽性になる確率はどのくらい? 検出率・陽性的中率(PPV)を医師がわかりやすく解説

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【医師が監修】NIPTで陽性になる確率はどのくらい? 検出率・陽性的中率(PPV)を医師がわかりやすく解説

 【医師が監修】NIPTで陽性になる確率はどのくらい?

検出率・陽性的中率(PPV)を医師がわかりやすく解説

リライティング日 : 2026年 04月 29日

この記事の要約

NIPTで陽性と判定された場合、その意味は検査対象の疾患・母体年齢・検査の種類によって大きく異なります。検出率と陽性的中率(PPV)の違いを正しく理解し、確定検査の必要性を把握することが重要です。

出生前検査(NIPT)を検討する際、
「陽性になる確率はどれくらいですか?」
という疑問を多くの妊婦さんが抱きます。

しかし、この問いに単純な答えはありません。
なぜなら、NIPTの結果の意味は次の2つを区別しなければ理解できないからです。

1.NIPTの結果を理解するための重要な2つの指標

検出感度(Sensitivity)

実際に疾患がある場合に陽性になる割合

陽性的中率(PPV)

陽性と判定されたときに本当に疾患がある確率
多くの誤解は、この2つを混同することで生じます。

2.もっとも多い:21・18・13トリソミーの場合

NIPTで主に検査されるのは以下の3疾患です。
  • 21トリソミー(ダウン症候群)
  • 18トリソミー(エドワーズ症候群)
  • 13トリソミー(パトウ症候群)
大規模研究では、NIPTの検出感度は21トリソミーで約99%、18トリソミーで約97%、13トリソミーでも90%以上と非常に高い値が報告されています(1)。
一方、陽性的中率(PPV)は疾患の頻度によって大きく異なり、21トリソミーでは約80%以上と高いのに対し、18トリソミーや13トリソミーでは30〜50%程度にとどまる場合があります(2)。

重要なポイント

同じ「陽性」でも、疾患によって本当に異常がある確率は大きく異なります。
 

3.年齢によって陽性の意味は変わる

PPVは母体年齢に強く依存します。
21トリソミーの発生率は年齢とともに上昇するため、
  • 若年妊婦:PPVは低い
  • 高年妊婦:PPVは高い
という傾向になります(1)。
つまり、検査性能が同じでも、結果の意味は個人によって異なるのです。
 

4.性染色体異常:陽性は比較的多いが解釈が難しい

性染色体異常:陽性は比較的多いが解釈が難しい
NIPTでは以下の性染色体異常も検査対象となる場合があります。
  • ターナー症候群(45,X)
  • クラインフェルター症候群(47,XXY)
  • トリプルX症候群(47,XXX)
  • 47,XYY症候群
性染色体トリソミー(XXY・XXX・XYY)は比較的PPVが高いとされていますが、ターナー症候群のPPVは15〜30%程度と低く、偽陽性が多いことが知られています(3)。
主な理由としては:
  • 胎盤限局性モザイク(CPM)
  • 母体側の染色体モザイク
  • 母体由来のコピー数変化
などが挙げられます(3)。
また、症状の現れ方に個人差が大きく、出生後まで診断されないケースもあります。
 

5.微小欠失症候群:最も解釈が難しい領域

追加オプションとして検査可能な場合があります。
代表例:
  • 22q11.2欠失症候群
  • 1p36欠失症候群 など
研究によって検査精度は大きく異なり、
  • 感度:約20〜100%
  • PPV:約3〜100%
と非常に幅があります(4)。
これは主に疾患の有病率が非常に低いためです。
例えば22q11.2欠失症候群は約4,000人に1人とされ、統計的にPPVが低くなりやすいことが知られています(4)。
 

6.最重要ポイント:NIPTは確定診断ではありません

NIPTは非常に精度の高い検査ですが、
スクリーニング検査(非確定検査)です。
陽性(高リスク)の場合は、羊水検査などの確定検査によって診断を確認する必要があります(1)。
 

7.検査前に考えておくべきこと

検査前に考えておくべきこと

NIPTを受ける前には、
  • 陽性だった場合の対応
  • 確定検査を受けるかどうか
  • 出産に関する意思決定
  • パートナーとの共有
    を事前に話し合っておくことが重要です。
 

8.まとめ

まとめ

NIPTの「陽性になる確率」は一律ではありません
結果の意味は次の要素によって決まります:
✔ 対象疾患
✔ 母体年齢
✔ 個人のリスク
✔ 検査の種類
数字だけにとらわれず、結果の意味を正しく理解することが大切です。

 

 

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※本記事は一般的な医学情報の提供を目的としており、個別の診断や判断は医療機関でご相談ください。

 

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◆ よくある質問(FAQ)

Q1. NIPTで陽性になる確率はどれくらいですか?

A. NIPTの陽性率は疾患の種類と母体年齢によって異なります。21トリソミーの検出感度は約99%ですが、陽性的中率(PPV)は年齢や疾患により30〜80%以上と幅があります。

Q2. NIPTで陽性と出たら必ず赤ちゃんに異常がありますか?

A. いいえ。NIPTはスクリーニング検査であり確定診断ではありません。陽性の場合でも偽陽性の可能性があるため、羊水検査などの確定検査が必要です。

Q3. NIPTの陽性的中率(PPV)とは何ですか?

A. PPVとは、陽性と判定された場合に実際に疾患がある確率です。検出感度とは異なり、疾患の有病率や母体年齢に大きく左右されます。

 

(1)American College of Obstetricians and Gynecologists. Practice Bulletin No.226: Screening for Fetal Chromosomal Abnormalities (2020)

(2)Gil MM, et al. Analysis of cell-free DNA in maternal blood for screening of fetal aneuploidies. Ultrasound in Obstetrics & Gynecology. 2015

(3)International Society for Prenatal Diagnosis. Position Statement on Prenatal Cell-free DNA Screening (2018)

(4)Taylor-Phillips S, et al. Accuracy of non-invasive prenatal testing for fetal structural chromosomal abnormalities. BMJ. 2016

 

 

監修者

医学博士・医師
広重 佑(ひろしげ たすく)

医学博士、日本泌尿器科学会専門医・指導医、がん治療学会認定医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医、日本抗菌化学療法学会認定医、性感染症学会認定医、Certificate of da Vinci system Training As a Console Surgeonほか

2010年に鹿児島大学医学部を卒業後、泌尿器科医として豊富な臨床経験を持つ。また、臨床業務以外にも学会発表や論文作成、研究費取得など学術活動にも精力的に取り組んでいる。泌尿器科専門医・指導医をはじめ、がん治療、抗加齢医学、感染症治療など幅広い分野で専門資格を取得。これまで培った豊富な医学知識と技術を活かして、患者様一人ひとりに寄り添った医療を提供している。