【医師が監修】NIPT(新型出生前診断)は最終的な答え?確定診断との違い

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2026.04.19

胎児DNA鑑定

【医師が監修】NIPT(新型出生前診断)は最終的な答え?確定診断との違い

【医師が監修】NIPT(新型出生前診断)は最終的な答え?確定診断との違い

 

結論:NIPTは極めて高精度な「スクリーニング検査」ですが、最終的な確定診断ではありません。「偽陽性」の可能性があるため、陽性判定時は羊水検査などの確定診断が必ず必要です(1)。

1.NIPT(新型出生前検査)とは?高精度なスクリーニング検査の理由



NIPTは母体血中の胎児由来DNA断片を調べ、染色体異常のリスクを評価する検査です(1)。 採血のみで流産リスクがなく、極めて高い精度を誇りますが、確定診断ではありません(1)。
  • 定義: 母親の血液中に存在する胎盤由来の微量なDNA断片(cffDNA)を解析し、胎児の染色体異常リスクを評価する検査です(1)。
  • 対象疾患: 21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー(エドワーズ症候群)、13トリソミー(パトウ症候群)などが主な対象です(1)。
  • 高い検査精度: トリソミーに対する感度(陽性を正しく検出する割合)および特異度(陰性を正しく判定する割合)は、ともに約99%と非常に高い数値が報告されています(2)。

2.なぜNIPTは「最終診断」にならないのか?(偽陽性が生じる理由)



NIPTが最終診断にならない最大の理由は、実際には異常がないのに陽性となる「偽陽性」が存在するためです(3)。 胎盤と胎児の染色体が異なる現象などがこの原因となります(3)。
  • 陽性的中率(PPV)のばらつき: 疾患により、陽性結果が実際に的中する確率(PPV)は異なります(2)。 ダウン症候群のPPVは約86.8%ですが、パトウ症候群では約18.1%にとどまります(2)。
  • 限局性胎盤モザイク(CPM)の影響: NIPTは胎児ではなく「胎盤」に由来するDNAの大部分を解析します(3)。 胎盤にのみ染色体異常が存在するCPMが起きると、結果が胎児の実態と一致しません(3)。
  • 疾患ごとのCPM関与率: パトウ症候群の偽陽性の約22%、ターナー症候群(45,X)の偽陽性の最大59%にCPMが関与していると報告されています(4)。

 

3.スクリーニング検査と確定診断の違い(比較表)

リスクを評価するNIPTに対し、最終的な答えを出すのが絨毛検査や羊水検査などの確定診断です(3)。 流産リスクは伴いますが、より確実な診断が可能です(3)。

比較項目

NIPT(新型出生前検査)

絨毛検査(CVS)

羊水検査

検査の位置づけ

スクリーニング検査(1)

確定診断(3)

確定診断(3)

検査対象

母体血中のDNA断片(1)

胎盤の絨毛組織(3)

胎児由来の羊水細胞(3)

実施時期の目安

妊娠10週前後~(1)

妊娠11~13週頃(3)

妊娠16週以降(3)

流産リスク

なし(採血のみ)(1)

約0.2%(5)

約0.1%(5)

CPMの影響

受けやすい(偽陽性の原因)(3)

排除しきれない場合がある(3)

受けにくく正確性が高い(3)

4.NIPT結果後のステップ解説:意思決定のために



NIPTは出生前診断を考えるための「第一歩」です(1)。 検査結果に振り回されず、専門家のサポートを受けながら次のステップへ進むことが重要です(3)。
  1. 遺伝カウンセリングの受診: 検査前後に専門家と相談し、結果が持つ意味や選択肢を正しく整理します(3)。
  2. 確定診断の検討・実施: 「高リスク」と判定された場合、必要に応じて羊水検査などの侵襲的検査を実施します(3)。
  3. 総合的な意思決定: すべての検査結果や情報を組み合わせ、ご自身にとって最善の選択を行います(3)。

 

5.FAQ(よくある質問)

Q1. NIPTで「低リスク(陰性)」なら、すべての疾患に対して完全に安心できますか?

A. 完全ではありません。NIPTは主に染色体の数の異常を調べるものであり、単一遺伝子疾患や構造的な染色体異常の多くは検出対象外です。 すべての先天性異常を否定できるわけではありません(1)。

Q2. 実際には異常があるのに「低リスク」と出ることはありますか?

A. はい、ごくまれに「偽陰性」が生じる可能性があります(1)。 胎児に異常があっても、血中の胎児DNA量が不足している場合などに起こり得ます(1)。

Q3. 確定診断(羊水検査・絨毛検査)の流産リスクはどのくらいですか?

A. 近年の大規模な研究報告によると、熟練した医師が行う場合の流産リスクは、羊水検査で約0.1%、絨毛検査で約0.2%とされています(5)。 以前考えられていたよりもリスクは大きく低下しています(5)。

 

 

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※本記事は一般的な医学情報の提供を目的としており、個別の診断や判断は医療機関でご相談ください。

 

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 参考文献

(1)NIPT(新型出生前診断)とはどのような検査なの? (遺伝子検査・DNA鑑定のseeDNA)、2025年 9月

(2)Clinical validation of a non-invasive prenatal test for multiple genetic abnormalities (Heliyon)、2024年 7月

(3)【専門家が解説】NIPT陽性の背景と確定診断の必要性 (遺伝子検査・DNA鑑定のseeDNA)、2024年 10月

(4)Pitfalls of prenatal diagnosis associated with mosaicism (The Obstetrician & Gynaecologist)、2023年 11月

(5)Procedure-related risk of miscarriage following amniocentesis and chorionic villus sampling (Ultrasound in Obstetrics & Gynecology)、2015年 1月

 

監修者

医学博士・医師
広重 佑(ひろしげ たすく)

医学博士、日本泌尿器科学会専門医・指導医、がん治療学会認定医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医、日本抗菌化学療法学会認定医、性感染症学会認定医、Certificate of da Vinci system Training As a Console Surgeonほか

2010年に鹿児島大学医学部を卒業後、泌尿器科医として豊富な臨床経験を持つ。また、臨床業務以外にも学会発表や論文作成、研究費取得など学術活動にも精力的に取り組んでいる。泌尿器科専門医・指導医をはじめ、がん治療、抗加齢医学、感染症治療など幅広い分野で専門資格を取得。これまで培った豊富な医学知識と技術を活かして、患者様一人ひとりに寄り添った医療を提供している。