【専門家が解説】新型出生前診断(NIPT)と出生前DNA親子鑑定(NIPPT)を解説

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2026.06.03

胎児DNA鑑定

【専門家が解説】新型出生前診断(NIPT)と出生前DNA親子鑑定(NIPPT)を解説

【専門家が解説】新型出生前診断(NIPT)と出生前DNA親子鑑定(NIPPT)を解説

 

この記事の結論

NIPTは「赤ちゃんの染色体疾患(ダウン症等)」を調べる検査であり、NIPPTは「出生前に父子関係を特定する」DNA親子鑑定です。どちらも母体血中の胎児成分(cell-free DNA)を利用しますが、解析対象となる遺伝子領域と検査目的が根本的に異なります。

1. NIPT(新型出生前診断)とは?

NIPTで胎児の染色体異常を調べる採血検査のイメージ

NIPTは、赤ちゃんの染色体異常(21、18、13トリソミー等)の可能性を判定するスクリーニング検査です。妊婦さんの血液に含まれる胎児由来のDNAを解析し、胎児の染色体異常の可能性を確認します。

  • 目的:染色体疾患(ダウン症候群、18トリソミー、13トリソミー等)の判定
  • 精度:21トリソミーに対する感度は約99%と極めて高いですが、確定診断には羊水検査が必要です
  • 対象者:染色体異常への不安がある妊婦
  • 検査時期:一般的に妊娠10週以降

2. NIPPT(出生前DNA親子鑑定)とは?

NIPPTで母体血と父親候補のDNAをSNP解析で照合するイメージ

NIPPTは、お腹の中の赤ちゃんと父親候補者の間に生物学的な親子関係があるかを確認する検査です。母体血中の胎児DNAと、男性(擬父)のDNAをSNP(一塩基多型)解析を用いて照合します。

  • 目的:出生前の父子関係の特定
  • 精度:父権肯定確率が99.99%以上、または0%(否定)という極めて高い確度で判定
  • 対象者:父親の特定が必要な状況にある妊婦
  • 検査時期:妊娠6週以降から実施可能(検査機関により異なる)

3. NIPTとNIPPTの比較表

両者の違いを項目別に整理しました。

比較項目 NIPT(新型出生前診断) NIPPT(出生前DNA親子鑑定)
主な目的 胎児の染色体疾患の判定 出生前の父子関係の特定
検査対象 母体血(胎児DNA) 母体血 + 父親候補の検体
判明する内容 21/18/13トリソミー、性別など 擬父との生物学的親子関係
開始時期 妊娠10週以降 妊娠6週以降
流産リスク なし(採血のみ) なし(採血のみ)

4. どちらの検査を受けるべきか?

目的に応じてNIPTかNIPPTを選択するイメージ

「何を知りたいのか」という目的によって、選択すべき検査は明確に分かれます。

赤ちゃんの健康状態や疾患を知りたい場合

NIPTを選択してください。21トリソミー(ダウン症候群)などのリスクを、母体への侵襲(ダメージ)なく調べることが可能です。ただし、陽性判定が出た場合は、確定診断のために侵襲的検査(羊水検査や絨毛検査)を検討する必要があります(1)。

父親が誰であるかを確認したい場合

NIPPTを選択してください。かつては羊水穿刺による親子鑑定が主流でしたが、現在は母体採血のみで安全に鑑定が可能です。詳細はseeDNA遺伝医療研究所の出生前DNA親子鑑定をご参照ください。

5. よくある質問(FAQ)

Q1. NIPTの結果で親子関係も分かりますか?

いいえ、分かりません。NIPTは染色体異常リスクを調べる検査であり、父親候補のDNAと比較・照合する工程を含まないため、親子関係の判定は不可能です。

Q2. NIPPTで赤ちゃんの病気(ダウン症など)は分かりますか?

いいえ、原則として分かりません。NIPPTは親子関係の確認を目的としており、特定の遺伝子配列(SNP)を比較して血縁関係を導き出すための検査です。染色体疾患の有無を診断するアルゴリズムは使用していないため、健康状態の確認を希望される場合は、別途NIPT(新型出生前診断)をご検討ください。

Q3. 双子の場合でもこれらの検査は受けられますか?

検査により異なります。NIPTは双胎妊娠でも対応可能な施設もありますが、NIPPT(親子鑑定)は胎児DNAの混合を避けるため、一絨毛性か二絨毛性かによって検査の可否や精度が変動します。事前に検査機関へ相談が必要です。

Q4. NIPTは確定診断ですか?

違います。NIPTはスクリーニング検査です。陽性時は羊水検査などが推奨されます。

6. まとめ

NIPTとNIPPTは、どちらも「母体血を用いた安全なDNA検査」という共通点はありますが、目的は「疾患リスクの判定」と「血縁関係の特定」というものです。

  • NIPT:赤ちゃんの染色体異常を調べたい時に受ける
  • NIPPT:生まれる前に父親を確認したい時に受ける

検査の性質を正しく理解し、自身の目的に合った検査を選択してください。また、どちらの検査も結果が生活に重大な影響を与える可能性があるため、臨床遺伝専門医や認定遺伝カウンセラーによるカウンセリング体制が整った機関を選ぶことが重要です。

参照文献

(1)出生前検査認証制度等運営委員会(日本医学会).「一緒に考えよう、お腹の赤ちゃんの検査

(2)厚生労働省.(2021).「NIPT等の出生前検査に関する専門委員会 報告書

(3)seeDNA遺伝医療研究所.「出生前DNA親子鑑定(NIPPT)

本記事は厚生労働省・日本産科婦人科学会の公開資料をもとに作成しています。医療的な判断については必ず専門の医療機関にご相談ください。

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著者

医学博士/遺伝子解析担当:A.M.

2015年東京医科歯科大学大学院 医学博士課程を修了後、同大学整形外科にて特任研究員および研究補佐員として勤務。2018年より株式会社seeDNAに入社後、STR鑑定5,000件以上、NIPPT鑑定約4,000件以上の検査やデータ解析、研究開発などを担当。正確性と品質管理を徹底することで、鑑定ミス「0」を継続中。これまで培った研究経験と分析力を活かし、お客様に安心と信頼をお届けできるよう、品質向上に日々取り組んでいます。

遺伝子解析担当:A.M.