【医師が監修】NIPTの追加費用とは|検査料金以外の費用

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2026.06.14

胎児DNA鑑定

【医師が監修】NIPTの追加費用とは|検査料金以外の費用

【医師が監修】NIPTの追加費用とは|検査料金以外の費用

 

目的/概要

NIPTの費用は検査料金だけではありません。本記事の要点は次の3点です。

  • NIPTは自由診療で全額自己負担。相場は9〜25万円(認証施設は10万円前後)。
  • 検査料金のほか、遺伝カウンセリング料・オプション検査費・再検査費・交通費が別途生じます。
  • 高リスク時は確定的検査(10〜20万円)などの追加費用が必要です。

1. NIPTの追加費用とは?検査料金だけで足りるのか

NIPTの検査料金以外にかかる追加費用のイメージ

NIPTは自由診療のため全額自己負担です。検査料金のほかに、遺伝カウンセリング料・オプション検査費・再検査費・交通費、そして高リスク時の確定的検査費(10〜20万円)が加わることがあります。

NIPTの費用は、ウェブサイトに記載された検査料金だけで完結するとは限りません。NIPTを検討する際、最初に確認されるのは「費用はいくらか」という点です。クリニックのサイトに記載された検査料金を総額と捉えがちですが、実際には検査前から結果確定までの各段階で追加費用が生じることがあります。本記事では、基本的な費用体系を整理したうえで、追加費用が生じる主なケースと、高リスク判定後に必要となる費用を、医師の視点で解説します。

2. NIPTの基本費用とは?検査料金の内訳

NIPTは公的医療保険が適用されない自由診療で、費用は全額自己負担です。相場は認証施設で10万円前後非認証施設で9〜25万円程度です(1)。

NIPTは、日本では公的医療保険が適用されない自由診療であり、費用は全額自己負担です(1)。料金相場は施設区分によって分かれ、認証施設は10万円前後、非認証施設は検査項目数に応じて9〜25万円程度です(1)。

認証施設と非認証施設の違いとは?

認証施設は出生前検査認証制度等運営委員会が認証した医療機関で、検査対象は3種類のトリソミーが基本です。非認証施設は受検条件がゆるやかで、検査項目を広く提供します。

認証施設とは、日本医学会に設置された「出生前検査認証制度等運営委員会」の審査・認証を受けた医療機関です(2)。認証には、臨床遺伝専門医の在籍、検査前後の遺伝カウンセリング体制、羊水検査など確定的検査への連携体制といった基準を満たす必要があります(3)。

認証施設は基幹施設連携施設に分かれます。基幹施設は、産婦人科専門医・小児科専門医・臨床遺伝専門医・認定遺伝カウンセラーなどが連携し、分娩から出生後のフォローまで一貫対応できる体制を備えた施設です(3)(4)。認証施設で検査できる項目は、21トリソミー(ダウン症候群)・18トリソミー(エドワーズ症候群)・13トリソミー(パトウ症候群)の3種類が基本です(3)。

一方、非認証施設は、年齢などの受検条件が認証施設よりゆるやかな施設です。性染色体異常や微細欠失症候群など、検査項目を広く提供するプランもあります。遺伝カウンセリングや陽性後のサポート体制は施設ごとに差があるため、受検前の確認が必要です。

項目 認証施設 非認証施設
認証主体 出生前検査認証制度等運営委員会(日本医学会) 委員会の認証なし
検査対象 21・18・13トリソミーが基本 性染色体異常・微細欠失なども選択可
受検条件 年齢などの条件あり 条件がゆるやか
遺伝カウンセリング 検査前後の体制を整備 施設ごとに差がある
費用相場 10万円前後 9〜25万円程度

検査料金には何が含まれる?

検査料金には、採血・検体輸送費、検体解析費、医師・専門スタッフの人件費、遺伝カウンセリング費が含まれます。

検査料金に含まれる主な項目は次のとおりです。

  • 採血・検体輸送費:母体血を専門機関へ送るための費用。
  • 検体解析費:血液中の胎児由来DNA断片を解析する費用(海外の専門施設で実施されることもあります)。
  • 医師・専門スタッフの人件費:結果を評価し説明する医師・遺伝医療専門職の人件費。
  • 遺伝カウンセリング費:検査前後のカウンセリング費用。

遺伝カウンセリングは、検査料金に含まれる施設と、別途請求される施設があります。大学病院や総合病院では初診料・再診料が別に発生し、総額が高くなることがあります。

3. 検査費用以外に発生する主な追加費用とは?

NIPT検査料金以外に発生する4つの追加費用のイメージ

検査料金以外に、遺伝カウンセリング料、オプション検査費、判定保留・再検査費、交通費・宿泊費が生じることがあります。

検査料金以外に、次の4つの費用が別途かかることがあります。

費用項目 内容 目安
①遺伝カウンセリング料 検査前後の相談 数千〜数万円
②オプション検査費 性染色体異常・微細欠失などの追加項目 施設により別料金
③再検査費 胎児DNA割合の不足などによる再採血 施設により有償/無償
④交通費・宿泊費 遠方施設の受診 実費

①遺伝カウンセリング料

認証施設では検査前後の遺伝カウンセリングが義務づけられ、数千円〜数万円が生じることがあります。検査料金に含む施設もありますが、初回カウンセリングのみ別料金の施設もあります。初回にカウンセリングを受けて検査を見送ったときでも、カウンセリング料が発生する点に注意が必要です。

②オプション検査の費用

認証施設の検査対象は、原則として21・18・13トリソミーの3種類です(3)。非認証施設では、性染色体異常や微細欠失症候群のスクリーニングが追加オプションとして別料金に設定されていることがあります。受検前に「何が含まれるか」を確認しましょう。

③再検査の費用

採血した検体中の胎児由来DNAの割合(fetal fraction)が低いと、結果が確定せず「判定保留」となり、再採血が必要になることがあります。再検査費の扱い(有償か無償か)は施設ごとに異なるため、事前確認をお勧めします。

④交通費・宿泊費

遺伝カウンセリングに対応する施設が居住地の近くにない場合、交通費や宿泊費が必要になることがあります。地方在住の方ほど、この備えが重要です。

4. 高リスクと判定された場合に必要な追加費用とは?

NIPTで高リスク判定後に必要な確定的検査・追加カウンセリング費用のイメージ

高リスクは染色体異常の確定を意味しません。確定には羊水検査・絨毛検査(10〜20万円)が推奨され、追加のカウンセリング費や精神的サポート費も生じることがあります。

NIPTはスクリーニング検査であり、高リスクという判定は染色体異常の確定を意味しません。あくまで異常の可能性が高いことを示す結果です。陽性的中率(PPV:陽性時に実際に異常がある割合)は染色体の種類で異なり、21トリソミーは86.8%、18トリソミーは56.8%、13トリソミーは18.1%と報告されています(5)。PPVは疾患の発生頻度や母体年齢などの事前確率に依存します(6)。

染色体 疾患 陽性的中率(PPV)
21トリソミー ダウン症候群 86.8%
18トリソミー エドワーズ症候群 56.8%
13トリソミー パトウ症候群 18.1%

※数値はHeliyon(2024)の大規模後ろ向き研究に基づく報告値です(5)。

そのため、高リスクと判定された場合は、確定的検査(羊水検査または絨毛検査)を受けることが推奨されます。これらには次の追加費用が生じます。

①羊水検査・絨毛検査の費用

確定的検査の費用は10〜20万円程度です(7)。入院を要する場合は入院費が別に加わります。

羊水検査は妊娠15〜16週以降、絨毛検査は妊娠初期(11〜13週頃)に行われます(7)。どちらの検査にも0.1〜0.2%程度の流産リスクが報告されており(8)、費用だけでなくリスクも理解したうえで選択することが重要です。

②結果説明・追加遺伝カウンセリングの費用

高リスク判定後は、追加の遺伝カウンセリングや専門医による詳しい説明が必要になります。判定後のカウンセリングを無料とする施設もありますが、有料の施設もあります。

③精神的サポートの費用

高リスク判定後にメンタルヘルスの専門家によるカウンセリングを希望する場合は、その費用も見込んでおく必要があります。

5. サマリー

NIPTに関わる費用は、検査料金だけではありません。要点を整理します。

  • NIPTは自由診療で全額自己負担。相場は認証施設10万円前後、非認証施設9〜25万円(1)。
  • 検査料金以外に、遺伝カウンセリング料・オプション検査費・判定保留時の再検査費・交通費が生じることがある。
  • 高リスク判定後は確定的検査(10〜20万円)(7)に加え、追加カウンセリング費・精神的サポート費も生じうる。
  • 受検前に施設のサイトや説明資料で「費用に含まれる範囲」を確認し、不明点を事前に問い合わせることが、検査後に慌てないための第一歩。

 

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6. よくある質問(FAQ)

Q1. NIPTに公的医療保険は使えますか?

使えません。NIPTは自由診療で、費用は全額自己負担です(1)。

Q2. 検査料金に遺伝カウンセリング料は含まれますか?

施設によります。含まれる施設と、初回のみ別料金の施設があります。検査を見送ってもカウンセリング料が生じることがあります。

Q3. 再検査になったら再検査費はかかりますか?

施設により有償・無償が分かれます。再採血が必要になることがあるため、事前確認をお勧めします。

Q4. 高リスク判定後の確定的検査の費用はいくらですか?

羊水検査・絨毛検査は10〜20万円程度です(7)。どちらにも0.1〜0.2%程度の流産リスクが報告されています(8)。

Q5. 認証施設と非認証施設で費用は違いますか?

認証施設は10万円前後、非認証施設は検査項目に応じて9〜25万円程度です(1)。

参考文献リスト

(1)「NIPT(新型出生前診断)の費用はいくらですか?」 seeDNA遺伝医療研究所、2025年10月

(2)「NIPTを実施する認証施設」 こども家庭庁 妊娠中の検査に関する情報サイト、2024年12月

(3)「NIPT等の出生前検査に関する情報提供及び施設(医療機関・検査分析機関)認証の指針」 出生前検査認証制度等運営委員会/厚生労働省、2022年2月

(4)「【医師が解説】NIPTは認証施設と非認証施設のどちらで受けるべき?」 seeDNA遺伝医療研究所、2025年12月

(5)「Performance analysis of non-invasive prenatal testing for trisomy 13, 18, and 21: A large-scale retrospective study (2018–2021)」 Heliyon、2024年6月

(6)「【医師が解説】NIPT(新型出生前診断)の陽性率はどのくらい?」 seeDNA遺伝医療研究所、2026年3月

(7)「羊水検査とは」 出生前検査認証制度等運営委員会

(8)「Risk of miscarriage following amniocentesis or chorionic villus sampling: systematic review of literature and updated meta-analysis」 Ultrasound in Obstetrics & Gynecology、2019年10月

本記事は厚生労働省・出生前検査認証制度等運営委員会・こども家庭庁の公開資料、および査読付き国際学術誌の論文をもとに作成しています。医療的な判断については必ず専門の医療機関にご相談ください。

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監修者

医学博士・医師 広重 佑(ひろしげ たすく)

医学博士。日本泌尿器科学会専門医・指導医、がん治療学会認定医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医ほか。2010年に鹿児島大学医学部を卒業後、泌尿器科医として臨床経験を重ねるとともに、学会発表・論文作成などの学術活動にも取り組む。がん治療・抗加齢医学・感染症治療など幅広い分野の専門資格を持ち、患者一人ひとりに寄り添う医療を提供している。