【医師が監修】NIPTの結果は3種類|意味・的中率・結果後の対応を解説

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2026.06.15

胎児DNA鑑定

【医師が監修】NIPTの結果は3種類|意味・的中率・結果後の対応を解説

【医師が監修】NIPTの結果は3種類|意味・的中率・結果後の対応を解説

 

目的・概要

  • NIPTの結果は「低リスク」「高リスク」「判定保留」の3種類に分類されることを解説します。
  • 各結果の意味と精度(感度・陽性的中率)、判定保留が起きる理由を提示します。
  • 結果が出た後にとるべき具体的な対応を、根拠とともに整理します。

NIPT(新型出生前検査)の結果は「低リスク」「高リスク」「判定保留」の3種類に分類されます。

妊娠中に出生前検査を検討している方にとって、「検査を受けたらどんな結果が返ってくるのか」という疑問は自然なものです。なかでも近年普及しているNIPT(新型出生前検査)は、採血だけで胎児の染色体異常リスクを調べられる検査として知られています。本記事では、NIPTを受けた場合に返ってくる結果の種類と意味、そして結果が出た後の対応について、医師の立場から解説します。

1. NIPTではどのような結果が出るのか?

NIPTの3種類の結果(低リスク・高リスク・判定保留)のイメージ

NIPTは母体血中の胎盤由来cfDNAを解析し、主要な染色体異常のリスクを評価する検査です。結果は「低リスク」「高リスク」「判定保留」の3つに分類されます。

NIPTとは、妊婦の血液中に含まれる胎盤由来の胎児DNA断片(cell-free fetal DNA:cffDNA)を解析し、胎児の染色体異常のリスクを調べる非侵襲的な検査です。(1)(2)

主に21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー(エドワーズ症候群)、13トリソミー(パトウ症候群)のリスク評価を目的とします。検査機関により、性染色体異常や微小欠失症候群を検査項目に含むことがあります。(1)

NIPTの結果は3種類

結果は病気ごとに、次の3区分のいずれかで示されます。

結果区分 意味
低リスク 胎児が対象の染色体異常を持つ可能性が低い
高リスク 胎児が対象の染色体異常を持つ可能性が高い
判定保留 低リスク、高リスクの判定ができなかった

いずれもスクリーニング検査としての評価であり、確定診断ではありません。(1)

2. 高リスク・低リスク・判定保留の意味とは?

高リスク・低リスク・判定保留それぞれの意味と陽性的中率(PPV)のイメージ

3つの結果はいずれも確定診断ではありません。それぞれの意味と精度を、数値根拠とともに解説します。

低リスクの意味

低リスクとは、検査対象の染色体異常が存在する可能性が低いことを示す結果です。

NIPTの感度は高く、21トリソミーに対する検出率は99.7%と報告されています。(3) 陰性(低リスク)の場合に実際に病気がない確率(陰性的中率)は、いずれの年齢層でも99.99%以上です。(1) ただし、NIPTはスクリーニング検査であり、低リスクでも1万人に1人以下の割合で偽陰性が生じます。(1)

高リスクの意味

高リスクとは、胎児が染色体異常を持つ可能性が高いことを示す結果であり、確定診断ではありません。

高リスク結果が実際の染色体異常と一致する割合を、陽性的中率(PPV:Positive Predictive Value)と呼びます。PPVは対象疾患と妊婦の年齢により異なります。(1)(4)

妊婦の年齢 21トリソミー 18トリソミー 13トリソミー
25歳 79.3% 48.1% 16.7%
30歳 85.3% 58.4% 23.3%
35歳 93.6% 77.9% 43.2%
40歳 98.2% 92.9% 73.8%

例えば30〜31歳前後では、21トリソミーで約86%、18トリソミーで約58%、13トリソミーで約25%です。つまり、高リスクと判定されても、最終的に染色体異常が確認されないケースが存在します。(4)

判定保留の意味

判定保留とは、「高リスク」「低リスク」の判定が下せなかった状態を指します。

十分な量の胎児DNAを確認することはできたが、高リスク・低リスクとも判定できなかったことを示す結果です。

3. 結果が出た後はどうすればよい?

NIPTの結果区分ごとの対応・主治医や遺伝カウンセラーへの相談のイメージ

結果区分ごとに次の対応が異なります。いずれの場合も、主治医や遺伝カウンセラーへの相談が基本です。

低リスクだった場合

低リスクでも、定期的な妊婦健診と超音波検査を継続することが重要です。

NIPTはスクリーニング検査であり、確定診断ではないためです。妊娠経過を注意深く管理することが大切です。

高リスクだった場合

高リスクの場合は、まず主治医や遺伝カウンセラーに相談することが最も重要なステップです。

確定診断のために、羊水検査(妊娠16週以降に実施可能)または絨毛検査(妊娠11〜13週に実施可能)が推奨されます。(1) これらは侵襲的な検査ですが、胎児の染色体を直接調べる確定診断法です。手技に関連する流産リスクは、羊水検査で約0.1%、絨毛検査で約0.2%と報告されています。(6) メリットとリスクを十分に理解したうえで、自分自身と家族にとって最善の選択を行うことが大切です。

判定保留だった場合

判定保留の場合は、主治医や遺伝カウンセラーに相談することをお勧めします。

十分な量の胎児DNAを確認することはできたが、高リスク・低リスクとも判定できなかったことを示す結果です。主治医や遺伝カウンセラーに相談することが推奨されます。

4. まとめ

  • NIPTの結果は「低リスク」「高リスク」「判定保留」の3種類に分類される。(1)
  • 低リスク:染色体異常の可能性が低い。確定診断ではなく、まれに偽陰性がある。(1)(3)
  • 高リスク:可能性が高いが診断ではない。PPVは年齢と疾患により異なる。(1)(4)
  • 判定保留:高リスク、低リスクの判定ができなかった状態。
  • 確定診断は羊水検査・絨毛検査。流産リスクは約0.1%・約0.2%と報告される。(6)
  • どの結果でも、主治医や遺伝カウンセラーとの相談が最善の選択につながる。

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参考文献リスト

(1) 出生前検査認証制度等運営委員会「NIPT(非侵襲性出生前遺伝学的検査)とは」 (jams-prenatal.jp)、2026年6月閲覧

(2) 「NIPT(新型出生前診断)とはどのような検査なの?」 (seedna.co.jp)、2025年11月

(3) Gil MM, et al. Ultrasound in Obstetrics & Gynecology (Wiley Online Library)、2017年9月

(4) Sasaki A, et al. Journal of Obstetrics and Gynaecology Research (Wiley Online Library)、2021年10月

(5) 「Factors affecting low fetal fraction in cell-free DNA testing(系統的レビュー・メタアナリシス)」BMC Pregnancy and Childbirth (Springer Nature Link)、2022年12月

(6) Akolekar R, et al. Ultrasound in Obstetrics & Gynecology (Wiley Online Library)、2015年1月

本記事は出生前検査認証制度等運営委員会の公開資料および査読付き国際学術誌の論文をもとに作成しています。医療的な判断については必ず専門の医療機関にご相談ください。

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監修者

医学博士・医師 広重 佑(ひろしげ たすく)

医学博士、日本泌尿器科学会専門医・指導医、がん治療学会認定医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医、日本抗菌化学療法学会認定医、性感染症学会認定医、Certificate of da Vinci system Training As a Console Surgeon ほか。

2010年に鹿児島大学医学部を卒業後、泌尿器科医として豊富な臨床経験を持つ。臨床業務のほか、学会発表・論文作成・研究費取得などの学術活動にも精力的に取り組み、がん治療、抗加齢医学、感染症治療など幅広い分野で専門資格を取得。培った医学知識と技術を活かし、患者一人ひとりに寄り添った医療を提供している。