【医師が監修】NIPTはいつから受けられる?妊娠10週以降が推奨される医学的根拠

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2026.06.18

胎児DNA鑑定

【医師が監修】NIPTはいつから受けられる?妊娠10週以降が推奨される医学的根拠

【医師が監修】NIPTはいつから受けられる?妊娠10週以降が推奨される医学的根拠

 

目的/概要

  • 結論:NIPTは妊娠10週以降に受けられ、推奨時期は10〜13週です。
  • 根拠:胎児分画(FF)が検査に必要な4%へ達するのが妊娠10週頃のため。
  • 注意:確定診断ではなくスクリーニング検査で、検査前後のカウンセリングが重要です。

NIPT(新型出生前検査)は、妊娠10週以降から受けられます。推奨される時期は妊娠10〜13週ごろです。

妊娠が判明し、出生前検査を検討し始めたとき、最初に抱く疑問の一つが「NIPTはいつから受けられるのか」という点です。NIPT(新型出生前検査)は、母体の血液を採取するだけで胎児の染色体異常のリスクを調べられる検査です。流産リスクのある羊水検査や絨毛検査とは異なり、母体への負担が少なく、流産リスクを伴わない検査として近年注目されています。検査を受ける時期は単なる日程の問題ではなく、検査結果の精度と、その後の選択肢の幅を左右します。本記事では、NIPTをいつから受けられるのか、その医学的根拠とともに解説します。

1. NIPTは妊娠何週から受けられる?推奨される検査時期

NIPTの受検可能時期と推奨検査時期(妊娠10〜13週)のイメージ

NIPTは妊娠10週以降に受検でき、推奨時期は妊娠10〜13週です。NT計測との併用や意思決定の時間確保という臨床的な利点があります。

NIPTは、妊娠10週以降から受けることができます。これは国内の認定施設・非認定施設を問わず、国際的に採用されている基準です(1)。株式会社seeDNAのNIPTも、採血予定日における妊娠期間が10週以降であることを申込条件としています(2)。

推奨される検査時期は、妊娠10〜13週ごろです。この時期に受ける臨床的メリットは次の2点です。

  • 総合的なリスク評価がしやすい:超音波検査による胎児後頸部浮腫(NT:Nuchal Translucency)の計測と組み合わせられます。NT計測は妊娠11〜13週に行われ、NIPTとほぼ同時期に受けることで多角的な情報を得られます。
  • 意思決定の時間を確保できる:高リスクの結果が出た場合でも、羊水検査・絨毛検査などの確定的検査を経て、次のステップを検討する時間的余裕が生まれます。

妊娠後期まで検査を受けられる施設もありますが、上記の理由から、妊娠初期のうちに受けることが推奨されます。

【検査時期の比較】

検査時期 特徴
妊娠10週未満 不可 胎児分画(FF)が不足し、正確な解析が困難。
妊娠10〜13週 推奨 FFが検査基準に到達。NT計測と併用しやすく、意思決定の時間も確保できる。
妊娠中期以降 注意 受検は可能だが、結果に基づく意思決定の時間が限られる。

2. なぜ妊娠10週以降なのか?学術論文から見る医学的根拠

なぜNIPTは10週以降?

理由は、検査精度を左右する「胎児分画(FF)」の濃度にあります。FFが4%以上へ達するのが妊娠10週頃です。

NIPTが妊娠10週以降で実施される理由は、検査精度を左右する「胎児分画(FF:Fetal Fraction)」の濃度にあります。

FFとは、母体血液中の全DNAのうち、胎盤由来の胎児DNAが占める割合です。NIPTでは、このFFが一定水準(一般に4%以上)に達していなければ正確な解析を行えません。妊娠10週頃になると、この基準を満たす妊婦が大半を占めます(3)。

FFは妊娠週数が進むにつれて上昇します。22,384例の妊婦を対象とした研究では、妊娠10週0日〜10週6日のFF中央値は10.2%であり、妊娠10〜21週では週あたり約0.1%ずつ増加すると報告されています(4)。

母体のBMIが高い場合、FFは相対的に低下します(5)。体格によっては妊娠10週ちょうどでは胎児分画が不足することがあります。担当医と相談のうえ、適切な時期に検査を受けることが重要です。

3. NIPTを受ける前に知っておきたい3つのポイント

NIPT受検前に押さえるべき3つのポイントのイメージ

検査前に押さえるべき要点は、スクリーニングであること、遺伝カウンセリングの活用、双胎妊娠での解釈の3点です。

① NIPTは「診断」ではなく「スクリーニング」である

NIPTの結果は、確率的なリスク評価です。高リスクであっても、それは染色体異常の可能性が高いことを示すもので、確定診断ではありません。高リスクの結果が出た場合は、羊水検査や絨毛検査などの確定的検査で診断を確認する必要があります。低リスクであっても、すべての染色体異常や先天性疾患を否定できるわけではありません。

② 検査前後の遺伝カウンセリングを活用する

NIPTを受ける際は、検査前に目的・意義・限界について十分な説明を受けることが推奨されます。日本医学会の出生前検査認証制度では、認証施設に検査前後の遺伝カウンセリング体制が求められています(1)。高リスクの結果が出た場合は、その後の意思決定を適切に支えるために、遺伝カウンセラーや専門医との面談が重要です。受検する施設がカウンセリング体制を整えているかを事前に確認しましょう。

③ 双胎妊娠では解釈が複雑になることがある

双胎妊娠(双子)では、単胎妊娠と比べてNIPTの解釈が複雑になることがあります。二卵性双胎では各胎児由来のDNA量(個別FF)が単胎より相対的に低く、判定保留となる割合が高いと報告されています(6)。双子の場合は、事前に担当医へ相談したうえで、受検するかどうかを判断することが重要です。

4. 適切な時期にNIPTを受けるために

妊娠10〜13週に医療機関で相談する妊婦のイメージ

NIPTは、妊娠10週以降から受けられます。これは、胎児由来のDNAが母体血液中で検査に必要な濃度へ達するのが妊娠10週頃であるという、複数の大規模研究に基づく医学的根拠によるものです(3)(4)。

検査時期が早すぎると十分な精度が得られず、遅すぎると結果を踏まえた意思決定の時間が限られます。妊娠10〜13週ごろを目安に、まずは医療機関への相談を検討することをお勧めします。NIPTはスクリーニング検査であることを念頭に置き、検査前のカウンセリングを十分に受け、ご自身とご家族にとって納得のいく形で出生前検査に臨んでいただければと思います。

5. まとめ

  • NIPTは妊娠10週以降に受検可能で、推奨時期は妊娠10〜13週です(1)(2)。
  • 理由は、胎児分画(FF)が検査に必要な4%へ達するのが妊娠10週頃であるためです(3)(4)。
  • BMIが高いと10週ちょうどではFFが不足することがあり、担当医と時期を調整します(5)。
  • NIPTはスクリーニング検査であり、確定には羊水検査・絨毛検査が必要です。
  • 双胎妊娠は解釈が複雑になることがあります(6)。検査前後のカウンセリングを活用しましょう。

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6. よくある質問(FAQ)

Q1. NIPTは妊娠何週から受けられますか?

妊娠10週以降に受けられます。推奨時期は妊娠10〜13週ごろです(1)。

Q2. なぜ妊娠10週より前は受けられないのですか?

胎児分画(FF)が4%未満だと正確に解析できないためです。妊娠10週頃に大半の妊婦が基準へ到達します(3)(4)。

Q3. BMIが高いと検査時期は変わりますか?

FFが低下しやすいため、担当医と相談のうえ検査時期をやや遅らせることがあります(5)。

Q4. NIPTで「陽性(高リスク)」なら確定ですか?

いいえ。NIPTはスクリーニング検査です。確定診断には羊水検査・絨毛検査が必要です。

Q5. 双子でもNIPTは受けられますか?

受けられますが、解釈が複雑になることがあります(6)。事前に担当医へ相談してください。

参考文献

(1) 出生前検査認証制度等運営委員会(日本医学会)、2025年9月

(2) 新型出生前診断(NIPT)(株式会社seeDNA)、2026年2月

(3) Cell-free DNA fetal fraction and preterm birth(American Journal of Obstetrics & Gynecology)、2016年2月

(4) Gestational age and maternal weight effects on fetal cell-free DNA in maternal plasma(Prenatal Diagnosis/Wiley Online Library)、2013年5月

(5) Factors affecting cell-free DNA fetal fraction: statistical analysis of 13,661 maternal plasmas for non-invasive prenatal screening(Human Genomics/BioMed Central)、2019年12月

(6) Cell-free DNA fetal fraction in twin gestations in single-nucleotide polymorphism-based noninvasive prenatal screening(Prenatal Diagnosis/Wiley Online Library)、2020年1月

本記事は出生前検査認証制度等運営委員会(日本医学会)の公開資料および査読付き国際学術誌の論文をもとに作成しています。医療的な判断については必ず専門の医療機関にご相談ください。

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監修者

医学博士・医師 広重 佑(ひろしげ たすく)

医学博士、日本泌尿器科学会専門医・指導医、がん治療学会認定医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医ほか。2010年に鹿児島大学医学部を卒業後、泌尿器科医として臨床に従事。学会発表・論文作成・研究費取得など学術活動にも取り組み、幅広い分野で専門資格を取得している。