絨毛検査と羊水検査の違いとは?NIPT高リスク後の確定診断を解説

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2026.10.08

胎児DNA鑑定

絨毛検査と羊水検査の違いとは?NIPT高リスク後の確定診断を解説

絨毛検査と羊水検査の違いとは?NIPT高リスク後の確定診断を解説

 

NIPT(新型出生前診断)はスクリーニング検査であり、高リスク判定でも染色体異常は確定していません。確定診断には絨毛検査または羊水検査が必要で、最も大きな違いは細胞を採取する場所です。

目的/概要

  • NIPT判定後の確定診断における選択肢を理解する
  • 絨毛検査と羊水検査の違いや適切な検査時期を知る
  • 各検査のリスクと特徴を把握し、納得のいく選択を行う

1. 絨毛検査と羊水検査の違いとは?(確定診断の基本)

絨毛検査と羊水検査の違い(細胞採取場所の比較)のイメージ

絨毛検査と羊水検査はどちらも細胞を直接採取して染色体を調べる「確定検査」ですが、最も大きな違いはどこから細胞を採取するかです。

絨毛検査と羊水検査は、どちらも赤ちゃん由来の細胞を直接採取して染色体を調べる「確定検査」です。最も大きな違いは、どこから細胞を採取するかです。

絨毛検査は、胎盤を構成する「絨毛」という組織を採取する検査です。お腹から細い針を刺す方法(経腹法)と、腟から器具を入れる方法(経腟法)があります。

羊水検査は、お腹から細い針を刺して子宮内の羊水を採取する検査です。羊水の中には赤ちゃんの皮膚や消化管などから剥がれ落ちた細胞が含まれており、これを培養して染色体を調べます。

胎盤限局性モザイクに注意

確定診断において知っておきたいのが「胎盤限局性モザイク」という現象です。胎盤の細胞と赤ちゃん自身の細胞とで染色体の構成が異なることがあり、絨毛検査では約1〜2%の頻度でこうしたモザイクが見つかると報告されています(2)。この場合、絨毛検査の結果だけでは判断できず、追加で羊水検査が必要になることがあります。

2. 絨毛検査と羊水検査はいつ受ける?検査時期と流産リスクを比較

絨毛検査(妊娠10〜14週)と羊水検査(妊娠15週以降)の検査時期比較のイメージ

検査を受けられる時期は絨毛検査が妊娠10〜14週ごろ、羊水検査が妊娠15週以降です。どちらの検査もわずかな流産リスクが存在します。

項目 絨毛検査 羊水検査
検査時期の目安 妊娠10〜14週ごろ 妊娠15週以降
採取するもの 絨毛(胎盤組織) 羊水中の細胞
結果が出るまで 約2〜3週間※ 約2〜3週間※

※検査方法や医療機関によって異なります。

絨毛検査の最大のメリットは、より早い時期に結果がわかることです。ただし、妊娠10週未満での絨毛検査では、赤ちゃんの手足の形成に影響が出た例が報告されているため(3)、適切な時期に行うことが大切です。羊水検査も、妊娠15週より前に行う「早期羊水検査」では流産や内反足のリスクが高まることが大規模な研究で示されており(4)、現在は15週以降に行うのが一般的です。

流産リスクについて

確定検査を受ける際に最も気になるのが流産リスクでしょう。2015年の研究では、検査に関連する流産リスクは羊水検査で約0.11%、絨毛検査で約0.22%と報告されました(5)。とはいえ、リスクがゼロではないことに変わりはありません。検査前に担当医から十分な説明を受けておきましょう。

3. NIPTで高リスクだった場合の選び方と注意点

NIPT高リスク判定後の絨毛検査・羊水検査の選び方のイメージ

NIPTの対象は胎盤由来のDNAが多いため、同じ胎盤組織を調べる絨毛検査では赤ちゃん本人の状態を正しく判断できない可能性があります。

NIPTで高リスクとなった場合、「早く結果を知りたいから絨毛検査」と考える方も多いと思います。しかし、ここには注意点があります。NIPTで調べているDNAの多くは、実は胎盤(絨毛)に由来するものです。そのため、前述の胎盤限局性モザイクが原因でNIPTが高リスクとなった場合、同じ胎盤組織を調べる絨毛検査でも異常が見つかり、赤ちゃん本人の状態を正しく判断できない可能性があります。

染色体異常の種類によるモザイクの頻度の違い

胎盤限局性モザイクが起こる頻度は、染色体異常の種類によって異なります。NIPTで高リスクとなった後の絨毛検査でモザイクが見つかる割合は、以下のように報告されています(6)。

染色体異常 モザイクが見つかる割合
21トリソミー(ダウン症候群) 約2%
18トリソミー(エドワーズ症候群) 約4%
13トリソミー(パトウ症候群) 約22%
モノソミーX(ターナー症候群) 約59%

また、全染色体を対象とするNIPTで「稀な常染色体トリソミー」(13・18・21番以外の常染色体のトリソミー)が高リスクとなった場合も、胎盤に由来するものが多いとされています(7)。こうしたケースでは、赤ちゃん自身の細胞を調べられる羊水検査がより適していると考えられます。

一方で、モザイクの頻度が低い21トリソミー(ダウン症候群)の場合などは、妊娠週数や今後の選択肢を考える時間的な余裕を重視して、まず絨毛検査を行い、必要に応じて羊水検査を追加するという選択もあります。どちらが適しているかは、NIPTの結果の内容や妊娠週数によって異なるため、遺伝カウンセリングで専門家とよく相談することが大切です。

4. まとめ:絨毛検査と羊水検査の違いを理解し、納得できる確定診断を選ぼう

確定診断を受けるまでは結果は確定していません。それぞれの検査の特徴を正しく理解し、医師や遺伝カウンセラーと相談しながら選択してください。

絨毛検査と羊水検査の主な違いをまとめると、次のとおりです。

  • 絨毛検査:妊娠10〜14週ごろに実施でき、早く結果がわかる。ただし胎盤限局性モザイクの影響を受けることがある
  • 羊水検査:妊娠15週以降に実施。赤ちゃん本人の細胞を調べられるため、NIPT高リスク後の確定診断として選ばれることが多い
  • 流産リスク:どちらも近年の研究では0.1〜0.2%程度と低いと報告されている

NIPTで高リスクと言われると、気持ちが焦ってしまうものです。しかし、確定診断を受けるまでは結果は確定していません。それぞれの検査の特徴を正しく理解し、医師や遺伝カウンセラーと相談しながら、ご自身が納得できる選択をしてください。

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5. よくある質問(FAQ)

Q. NIPTで「高リスク」と判定されたら、染色体異常は確定ですか?

A. NIPTはあくまで「スクリーニング検査」で、診断を確定させる検査ではありません。確定診断には絨毛検査または羊水検査を受ける必要があります。

Q. 絨毛検査と羊水検査はいつから受けられますか?

A. 絨毛検査は妊娠10〜14週ごろ、羊水検査は妊娠15週以降から受けるのが一般的です。

Q. 検査による流産のリスクはどのくらいですか?

A. 研究報告によると、検査に関連する流産リスクは羊水検査で約0.11%、絨毛検査で約0.22%と報告されています。

Q. NIPT高リスク後の確定検査はどちらを選べばいいですか?

A. NIPTの結果内容や妊娠週数によって異なります。胎盤限局性モザイクの影響を受けやすい場合は羊水検査が適していますが、結果を早く知りたい場合は絨毛検査を先行することもあります。

6. 参考文献

(1) Ultrasound Obstet Gynecol、2017年

(2) J Clin Med、2014年

(3) Lancet、1991年

(4) Lancet、1998年

(5) Ultrasound Obstet Gynecol、2015年

(6) The Obstetrician & Gynaecologist、2023年

(7) Expert Rev Mol Diagn、2016年

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著者

医学博士・医師 広重 佑(ひろしげ たすく)

医学博士、日本泌尿器科学会専門医・指導医、がん治療学会認定医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医、日本抗菌化学療法学会認定医、性感染症学会認定医ほか。

2010年に鹿児島大学医学部を卒業後、泌尿器科医として豊富な臨床経験を持つ。学会発表・論文作成・研究費取得など学術活動にも精力的に取り組み、培った医学知識と技術を活かして患者一人ひとりに寄り添った医療を提供している。