1時間のウォーキングで2~4分は目を閉じている!

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2024.07.04

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1時間のウォーキングで2~4分は目を閉じている!

リライティング日 : 2026年 01月 28日

【要約】
ヒトは起きている時間の3~8%を瞬きで目を閉じて過ごしています。ロチェスター大学の研究で、瞬きが目の潤いを保つだけでなく、輝度変化を通じて脳の視覚情報処理能力を向上させることが判明しました。

目次

瞬きと視覚処理に関する新発見

新たに発見された瞬きの役割

ヒトは起きている時間の3~8%を、瞬きによって目を閉じて過ごしているといわれています。つまり、1時間のウォーキングのうち、2~4分は目を閉じて歩いていることになります。そう考えると瞬きは危険な行為だと感じてしまうかもしれません。

瞬きは目の潤いを保ち乾燥を防ぐための行為であることは広く知られていますが、ロチェスター大学で行われた新たな研究によって、瞬きには脳が視覚情報を効果的に処理する役目があることが判明しました(1)。今回は、その新たに発見された瞬きの役割についてご紹介します。

瞬きに関する基本データ

項目 内容
瞬きの平均頻度 1分間に約15~20回
1回の瞬きの所要時間 約100~400ミリ秒
起床時間に占める閉眼時間 約3~8%
従来知られていた役割 角膜の保湿、異物除去
新たに発見された役割 視覚情報処理能力の向上

瞬きに関する研究の概要

瞬きに関する研究瞬きには、目を乾燥から防ぐことや目に入った異物を取り除く役割がありますが、ロチェスター大学の研究者であるビン・ヤン、ジャニス・イントイ、ミケーレ・ルッチ達は、それだけの役割にしては瞬きの頻度が多いため、それ以外の役割もあるのではないかと考え研究を行いました(2)。

研究の方法

  • 参加者: 正常な視力を持つ12名の男女
  • 実験設計: 偏った結果を避けるため、具体的な研究目的を伏せて実施
  • 機材: 目の動きを正確に確認できるモニターを使用
  • 課題内容: 細かさや並び方の異なる縞模様の傾きが左右どちらかを判別
  • 条件1: モニターに縞模様が表示されているときに瞬きを行う
  • 条件2: モニターに縞模様が表示される前に瞬きを行う

各条件の実験を何度も実施し、それぞれの条件で正確にパフォーマンスが比較できるようデータの収集と分析を行ったといいます。

瞬きが脳に与える効果の発見

瞬きが脳に与える効果の発見縞模様の傾きを判別する実験の結果、縞模様がモニターに映される前に瞬きをした場合と比較して、モニターに縞模様が表示されている時に瞬きしたほうが、縞模様の傾きを判別する能力が大きく向上することが分かりました。この判別能力の向上は、回答の正確性とスピードの両方で明確に現れたそうです。

研究者たちは、この能力の向上が瞬きによって発生する輝度の変化によるものだと考えました。輝度とは目に入る光の量のことで、瞬きをすると目が一時的に閉じられるため、輝度が急激に変化します。この視覚情報のリセットが、脳が視覚から入った情報を効果的に処理することを補助していると考えたのです(3)。

仮説の検証実験

この研究を行ったミケーレ・ルッチの「瞬きによる視覚刺激が網膜に与えられることによって、視覚情報がリセットされるため同じシーンを見続けているときとは大きく異なる輝度信号が得られる」という仮説をさらに検証するため、モニターの表示を一時的に暗くする実験を実施しました。

その結果、参加者のパフォーマンスが瞬きをしたときと同様に向上したのです。これにより、瞬きという行為そのものではなく、瞬きによる輝度の変化が視覚処理を改善させる要因であることが分かったのです。

研究結果のまとめ

研究者たちは、この研究によって瞬きが脳の視覚情報処理に有益な輝度変化をもたらし、能力を向上させることを発見しました。この研究論文の著者であるビン・ヤンは「我々は、瞬きによって得られる視覚刺激が、視覚処理を向上させることを発見した。これまでは、瞬きは視覚処理を妨げるものと言われていたが、視覚の処理能力の向上が、瞬きによる視覚情報の損失を十分に補っている」と説明しました。

従来の認識 新しい発見
瞬きは視覚処理を妨げる 瞬きは視覚処理を向上させる
役割は乾燥防止と異物除去 輝度変化による情報処理の補助
視覚情報の中断とみなされる 処理能力向上で損失を十分補う

この研究により、瞬きが目を潤すだけの役割ではなく、視覚情報の処理においても重要な役割を果たしていることが発見されるとともに、瞬きによる一時的な視覚情報の中断を利用して視覚情報の処理を改善するようヒトが進化してきたこともわかったといいます。

遺伝子検査への応用と発展

歩行中に瞬きで目を閉じても危険な目に合わないのは、それを補う視覚処理の改善があるからということなのでしょうか。瞬きの新たな役割の発見に関するお話しは以上となりますが、色々なことに疑問を感じて研究する人がいるおかげで、私たちの体に関する理解は日々深まっています。

このような疑問や謎を解明するための研究が大きな発見となり、その発見が遺伝子検査や科学技術の向上に繋がることがあります。遺伝子検査技術は日々進化を続けており、がんや生活習慣病などの疾患リスクや性格/才能とあわせて祖先のルーツまで1度の検査で分かる時代になりました。

もしもあなたが、本当の自分を知りたいとお考えでしたら、一度、遺伝子検査を受けてみてはいかがでしょうか。自分の知らなかった意外な能力が発見できるかもしれません。

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よくある質問(FAQ)

Q. 瞬きにはどのような役割がありますか?

瞬きには、目の乾燥を防ぎ潤いを保つ役割や異物を取り除く役割に加え、最新の研究では輝度変化を通じて脳の視覚情報処理能力を向上させる役割があることが分かりました。

Q. ヒトは1日のうちどのくらい瞬きで目を閉じていますか?

起きている時間の約3~8%を瞬きで目を閉じて過ごしているとされ、1時間のうち約2~4分は目を閉じている計算になります。

Q. 瞬きが視覚処理を向上させる仕組みは何ですか?

瞬きをすると目に入る光の量(輝度)が急激に変化し、視覚情報がリセットされます。この輝度変化が脳の視覚処理を補助し、判別能力の正確性とスピードを向上させると考えられています。

Q. ロチェスター大学の研究はどのように行われましたか?

正常な視力を持つ12名の男女が参加し、モニターに表示される縞模様の傾きを判別する実験を行いました。瞬きのタイミングを変えてパフォーマンスを比較した結果、縞模様表示中に瞬きをした方が判別能力が向上することが確認されました。

参考文献

(1) Eye blinks as a visual processing stage『PNAS、2024年』

(2) Why do we blink so frequently?『University of Rochester News Center、2024年』

(3) The role of eye movements in visual perception
and information processing『Vision Research、2019年』

Author

seeDNA医学博士 富金 起範 医学博士 富金 起範

筑波大学、生体統御・分子情報医学修士/博士課程卒業
2016年に国内初となる微量DNA解析技術(特許7121440)を用いた出生前DNA鑑定(特許7331325)を開発

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