ヒトの性格形成と遺伝的要因

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2024.08.22

法科学遺伝子検査

ヒトの性格形成と遺伝的要因

リライティング日 : 2026年 02月 02日

【要約】
「陽キャ」と「陰キャ」の性格形成には、幼少期の経験だけでなく遺伝子も関与していることが最新研究で明らかになっています。性格と健康・遺伝の関係を科学的視点から解説します。

目次

著者

seeDNA検査部で出生後の親子DNA鑑定(STR)担当Lのイメージ

親子DNA鑑定(STR)担当L

所属:株式会社seeDNA 検査部

ごあいさつ

ごあいさつ - 内向型と外向型のイメージ

こんにちは。seeDNA検査部のLです。

最近、「陽キャ」や「陰キャ」という言葉が若者の間で頻繁に使われるようになりました。「陽キャ」は、にぎやかで明るい性格の人を表す「陽気なキャラクター」の略で、「陰キャ」は穏やかで落ち着いており、内向的な人を表す「陰気なキャラクター」を略した言葉です。

今回のテーマでは、この二つの性格がどのように形成されるのか、またそれが健康や遺伝子にどのような影響を与えるのか、最新の研究結果を交えながらご説明してまいります(1)。

性格の形成と健康への影響の研究

九州大学の研究によれば、大学生時代の性格は、小学生時代の友人関係や親子関係といった幼少期の経験や重大な出来事が大きく影響を与えていることが示されました(1)。

例えば、小学生時代に友人と良好な関係を築き、親から頻繁に褒められた経験がある人は「陽キャ」になりやすい傾向があり、逆に、親からの叱られることが多かったり、友人関係で問題を抱えていた経験がある人は「陰キャ」になりやすい傾向があることが分かりました。

また、日本の高齢者を対象とした研究では、社交的でコミュニケーション能力が高い「陽キャ」タイプの人は、脳の萎縮が少ない傾向があり、認知症のリスクも低いことが判明しています(2)。 これは、社会との積極的なつながりが、脳の健康に良い影響を与えていると考えられるためです。

これらの研究から、幼少期の経験が大学生以降の人格に影響を及ぼし、それがさらに健康にまで影響を与える可能性があるということが分かってきています。

性格形成に関わる主な要因

要因 陽キャになりやすい傾向 陰キャになりやすい傾向
親子関係 褒められる経験が多い 叱られる経験が多い
友人関係 良好な関係を築いた トラブルを抱えやすかった
幼少期の経験 肯定的な体験が多い 否定的な体験が多い
遺伝的要因 dokb遺伝子の発現が高い dokb遺伝子の発現が低い

性格は遺伝されるのか?

性格は遺伝されるのか - 陽気な人々のイメージ「媒介中心性」という指標を使って、社会的なつながりを定量化する方法があり、「媒介中心性」が高い人ほど、グループの中心で多くの人とつながる「陽キャ」的な性格を持ちやすいと言われています。

この「媒介中心性」と関連する遺伝子「dokb」(degrees of Kevin Bacon※)がカナダの研究グループによって発見され、「dokb」遺伝子の発現レベルが高いほど、その被検者の媒介中心性も高くなることがわかりました(3)。

つまり、「陽キャ」的な性格は、遺伝子の影響を受けている可能性が高いということです。さらに、このような性格は遺伝子を介して子供に伝わる可能性があることもわかってきました。

このように、「陽キャ」や「陰キャ」といった性格の形成にも、遺伝的要因が関与していることが徐々に明らかになってきました。こうした研究は、ヒトの性格や社会的行動がどのように遺伝子と結びついているのかを解明する手がかりとなり、将来的には、認知症の予防や社会的つながりを強化する新しいアプローチの開発につながることが期待されています。

※この遺伝子の名前は、「ケヴィン・ベーコンの法則」に由来しており、映画業界でケヴィン・ベーコンが最も多くの人とつながっている人物であり、どの俳優でも6人の共演者を辿ればケヴィン・ベーコンに行き着くという仮説が提唱されていることから命名されました。

陽キャ・陰キャの特徴比較

項目 陽キャ 陰キャ
社交性 高く、積極的に交流する 少人数の交流を好む
媒介中心性 高い 低い
脳萎縮リスク 低い傾向 高い傾向
認知症リスク 低い傾向 相対的に高い傾向
関連遺伝子 dokb遺伝子発現が高い dokb遺伝子発現が低い

よくある質問(FAQ)

Q1. 性格は遺伝で決まりますか?

性格は遺伝と環境の両方の影響を受けます。最新研究では「dokb」遺伝子のように社会性に関わる遺伝子が発見されており、遺伝的素因が一定程度関与していることが明らかになっています。ただし幼少期の経験や人間関係といった環境要因も大きく影響します。

Q2. 陽キャの方が健康的なのですか?

日本の高齢者研究では、社交的な人ほど脳の萎縮が少なく、認知症リスクが低い傾向が示されています。ただし陰キャだから不健康というわけではなく、自分に合った社会的つながりを持つことが重要です。

Q3. 遺伝子検査で性格や才能がわかりますか?

近年は性格の傾向や才能、生活習慣病・がんリスクなどを調べる遺伝子検査サービスがあります。自分自身を客観的に知る一つの手段として活用できます。

Q4. dokb遺伝子とは何ですか?

dokb(degrees of Kevin Bacon)は、ショウジョウバエの社会的ネットワーク行動を制御する遺伝子としてカナダの研究グループにより2024年に発表されました。媒介中心性に影響することがわかっています。

性格や体質の遺伝的な傾向がわかる遺伝子検査は、日々進化しており、ガンや生活習慣病のリスク、才能もわかる遺伝子検査サービスもあります。本当の自分を知りたいとお考えなら、遺伝子検査を行ってみてはいかがでしょうか。自分の意外な性格や才能が発見できるかもしれません。

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よくある質問(FAQ)

Q. 性格は遺伝で決まりますか?

性格は遺伝と環境の両方の影響を受けます。最新研究ではdokb遺伝子のように社会性に関わる遺伝子が発見されており、遺伝的素因が一定程度関与していることが明らかになっています。幼少期の経験や人間関係といった環境要因も大きく影響します。

Q. 陽キャの方が健康的なのですか?

日本の高齢者研究では、社交的な人ほど脳の萎縮が少なく、認知症リスクが低い傾向が示されています。ただし陰キャだから不健康というわけではなく、自分に合った社会的つながりを持つことが重要です。

Q. 遺伝子検査で性格や才能がわかりますか?

近年は性格の傾向や才能、生活習慣病・がんリスクなどを調べる遺伝子検査サービスがあります。自分自身を客観的に知る一つの手段として活用できます。

Q. dokb遺伝子とは何ですか?

dokb(degrees of Kevin Bacon)は、ショウジョウバエの社会的ネットワーク行動を制御する遺伝子としてカナダの研究グループにより2024年に発表されました。媒介中心性に影響することがわかっています。

参考文献

(1) 誰が陰キャ・陽キャと名付けられるのかの社会学
『九州大学教育社会学研究集録、2024年3月』

(2) Association Between Frequency of Social Contact and Brain Atrophy
in Community-Dwelling Older People Without Dementia『Neurology、2023年9月』

(3) The Gene 'Degrees of Kevin Bacon' (Dokb) Regulates a Social Network
Behaviour in Drosophila Melanogaster『Nature Communications、2024年4月』

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