ヒトの性格形成と遺伝的要因
著者
親子DNA鑑定(STR)担当L
所属:株式会社seeDNA 検査部
ごあいさつ
こんにちは。seeDNA検査部のLです。
最近、「陽キャ」や「陰キャ」という言葉が若者の間で頻繁に使われるようになりました。「陽キャ」は、にぎやかで明るい性格の人を表す「陽気なキャラクター」の略で、「陰キャ」は穏やかで落ち着いており、内向的な人を表す「陰気なキャラクター」を略した言葉です。
今回のテーマでは、この二つの性格がどのように形成されるのか、またそれが健康や遺伝子にどのような影響を与えるのか、最新の研究結果を交えながらご説明してまいります。
性格の形成と健康への影響の研究
九州大学の研究によれば、大学生時代の性格は、小学生時代の友人関係や親子関係といった幼少期の経験や重大な出来事が大きく影響を与えていることが示されました。
例えば、小学生時代に友人と良好な関係を築き、親から頻繁に褒められた経験がある人は「陽キャ」になりやすい傾向があり、逆に、親からの叱られることが多かったり、友人関係で問題を抱えていた経験がある人は「陰キャ」になりやすい傾向があることが分かりました。
また、日本の高齢者を対象とした研究では、社交的でコミュニケーション能力が高い「陽キャ」タイプの人は、脳の萎縮が少ない傾向があり、認知症のリスクも低いことが判明しています。これは、社会との積極的なつながりが、脳の健康に良い影響を与えていると考えられるためです。
これらの研究から、幼少期の経験が大学生以降の人格に影響を及ぼし、それがさらに健康にまで影響を与える可能性があるということが分かってきています。
性格は遺伝されるのか?
「媒介中心性」という指標を使って、社会的なつながりを定量化する方法があり、「媒介中心性」が高い人ほど、グループの中心で多くの人とつながる「陽キャ」的な性格を持ちやすいと言われています。
この「媒介中心性」と関連する遺伝子「dokb」(degrees of Kevin Bacon※)がカナダの研究グループによって発見され、「dokb」遺伝子の発現レベルが高いほど、その被検者の媒介中心性も高くなることがわかりました。
つまり、「陽キャ」的な性格は、遺伝子の影響を受けている可能性が高いということです。さらに、このような性格は遺伝子を介して子供に伝わる可能性があることもわかってきました。
このように、「陽キャ」や「陰キャ」といった性格の形成にも、遺伝的要因が関与していることが徐々に明らかになってきました。こうした研究は、ヒトの性格や社会的行動がどのように遺伝子と結びついているのかを解明する手がかりとなり、将来的には、認知症の予防や社会的つながりを強化する新しいアプローチの開発につながることが期待されています。
※この遺伝子の名前は、「ケヴィン・ベーコンの法則」に由来しており、映画業界でケヴィン・ベーコンが最も多くの人とつながっている人物であり、どの俳優でも6人の共演者を辿ればケヴィン・ベーコンに行き着くという仮説が提唱されていることから命名されました。
参考文献
松浦悟志、他「誰が陰キャ・陽キャと名付けられるのかの社会学」九州大学教育社会学研究集録. 27, pp.165-183, 2024-03-15
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