次世代DNA解析技術(NGS)を用いたNIPT

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2025.07.15

胎児DNA鑑定

次世代DNA解析技術(NGS)を用いたNIPT

リライティング日 : 2026年 02月 16日

次世代DNA解析技術(NGS)を用いたNIPT|新型出生前検査の仕組み・精度・注意点を専門家が解説

【要約】
新型出生前検査(NIPT)は、母体血液から胎児由来のcfDNAを解析し染色体異常のリスクを評価する非侵襲的検査です。本記事ではNGS(次世代DNA配列解析)を用いたNIPTの仕組み、他技術との比較、検査時の注意点を専門家がわかりやすく解説します。

目次

◆ はじめに

はじめに妊娠中の出生前検査においては、「検査の精度」と「身体的・心理的負担の少なさ」が非常に重要な検討項目となります。なかでも母体からの採血のみで胎児の染色体異常のリスクを評価できる非侵襲的検査である「新型出生前検査(NIPT:Non-Invasive Prenatal Testing)」が、近年広く注目を集めています。

とりわけ、「次世代DNA配列解析技術(NGS:Next Generation Sequencing)」を用いたNIPTは、検査精度および網羅性の点で従来の技術を大きく上回り、現在では世界的な標準技術として広く採用されています(1)。

本記事では、NGSによるNIPTの仕組み、他技術との比較、検査時の留意点についてわかりやすく説明していきます。

◆ 非侵襲的に染色体異常のリスクがわかるNIPT

非侵襲的に染色体異常のリスクがわかるNIPTNIPTは、母体の血液中に微量に存在する胎児由来のDNA(cfDNA: cell-free DNA)を解析することで、胎児の染色体異常のリスクを調べるスクリーニング検査です。従来の母体血清マーカー検査と比べて高精度であり、羊水検査のような侵襲的な方法に比べて、母体・胎児双方への身体的リスクが著しく低いという特長があります。

採血のみで検査が可能であるため、妊婦さんの身体的・心理的負担を最小限に抑えつつ、比較的妊娠初期から染色体異常のリスクを確認することができます。

NIPTと他の出生前検査の比較

検査名 侵襲性 実施時期 精度 診断種別
NIPT(NGSベース) 非侵襲(採血のみ) 妊娠10週〜 非常に高い スクリーニング
母体血清マーカー 非侵襲(採血のみ) 妊娠15〜18週 中程度 スクリーニング
絨毛検査(CVS) 侵襲的 妊娠11〜13週 非常に高い 確定診断
羊水検査 侵襲的 妊娠15〜18週 非常に高い 確定診断

◆ NGSによるNIPTの技術的背景と解析の仕組み

NGSによるNIPTの技術的背景と解析の仕組みNGS(次世代DNA配列解析)は、膨大な数のDNA断片を読み取り解析する最新の技術です。NIPTにおいては、母体血中から抽出された胎児由来のcfDNAを増幅し、そのDNA断片を読み取ります。

読み取った配列がどの染色体に由来するかを解析し、各染色体に対応するDNA断片の割合を統計的に比較します。たとえば、21番染色体由来のDNA量が相対的に多い場合には、21トリソミー「ダウン症候群」のリスクが高いという結果が出されます。

■□ NGSの特長 □■
網羅性の高さ :すべての常染色体および性染色体を対象に解析可能
高感度・高精度 :微量のcfDNAでも異常を検出可能
自動化と誤差補正:アルゴリズムによる解析とエラー補正により再現性が高い

従来の検査技術に比べ、低侵襲かつ包括的にリスク評価が行えるため、非常に有効なスクリーニング検査といえます。

◆ NIPTで用いられる他の技術との比較

NIPTで用いられる他の技術との比較出生前検査で用いられる検査には複数の技術があり、各技術にはそれぞれ長所や制約があります。代表的な検査技術をご紹介します。

1. リアルタイムPCR(定量PCR)

  • 特定の染色体異常を迅速に検出
  • 低コストかつスピードが早い
  • 検査対象以外の異常は検出することができないため、スクリーニング範囲に限界がある

2. マイクロアレイ解析

  • 数十万の染色体領域を同時に検出可能
  • 微細な欠失・重複(マイクロディリーション/デュプリケーション)の検出に優れる (2)
  • cfDNAのような微量検体には不向きで、感度が相対的に低い

3. NGS(次世代シーケンス)

  • cfDNAなど微量サンプルからでも全染色体を網羅的に解析可能
  • 非侵襲的かつ高精度な解析が可能
  • 現在のNIPTにおける標準技術

検査の目的や状況に応じて、適切な技術を選択することが重要ですが、NIPTにおいてはNGSが最も適していると考えられています。

◆ NIPTの注意点と正しい理解

NIPTの注意点と正しい理解NGSを用いたNIPTは非常に高精度なスクリーニング検査ですが、妊娠週数や母体の身体的条件により、結果に影響が生じることがあるため、NIPTを受ける際の注意点などを正しく理解しておく必要があります。

❶ 検査可能な時期:妊娠10週以降

NIPTで必要な量のcfDNAは妊娠10週頃の母体血から安定して検出されるようになります。それ以前に検査を実施した場合、cfDNAの量が足りずに判定不能となるケースがあるため、実施時期には十分な注意が必要です(3)。

❷ 母体の条件による影響

妊婦さんのBMI(体格指数)が高い場合は、母体由来DNAの比率が高まり、胎児由来のcfDNAが相対的に少なくなるため、検出感度が低下する場合があります(4)。 また、双胎妊娠や不規則な月経周期も、結果の信頼性に影響を及ぼす可能性があります。

❸ NIPTは「確定診断」ではありません

NIPTはあくまでもスクリーニング検査であり、「高リスク(陽性)」という結果が必ずしも染色体異常の存在を意味するわけではありません。NIPTで「高リスク(陽性)」の結果が示された場合は、羊水検査や絨毛検査といった確定診断の受診が必須となります。これらの確定診断では胎児の細胞を直接検査するため、正確な診断が可能となります。

◆ まとめ

NIPTは、妊娠初期から非侵襲的に染色体異常リスクを評価できる有効なスクリーニング検査
NGS技術は、網羅性・感度・精度の面で非常に優れており、NIPTにおける最適な解析手法
妊娠週数や母体の体質により結果が左右される可能性があるため、検査タイミングや前提条件には十分な注意が必要
検査結果の正確な理解と、必要に応じた確定診断の実施が、安心した意思決定につながる

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seeDNAの新型出生前検査(NIPT)は、国際品質規格ISO9001およびプライバシーマークのPマークの認証を受けた、適正な管理体制のもとで検査を行っています。

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よくある質問(FAQ)

Q1. NIPTはいつから受けられますか?

A. 妊娠10週以降から受検可能です。それ以前は胎児由来のcfDNA量が不足し、判定不能となる可能性があります。

Q2. NIPTは確定診断ですか?

A. いいえ、NIPTはスクリーニング検査です。陽性(高リスク)と判定された場合は、羊水検査や絨毛検査などの確定診断が必要です。

Q3. NGSによるNIPTの精度はどの程度ですか?

A. 21トリソミー(ダウン症候群)における感度は99%以上、特異度も99%以上と非常に高い精度を示しますが、確定診断ではありません。

Q4. BMIが高いと検査結果に影響しますか?

A. BMIが高い場合、母体由来DNAの割合が増え、胎児由来cfDNAが相対的に少なくなるため、検出感度が低下する可能性があります。

Q5. 双胎妊娠でもNIPTは受けられますか?

A. 受検は可能ですが、単胎妊娠と比べて結果の信頼性に影響が生じる場合があります。事前に専門家へご相談ください。

参考文献

参考文献

(1) Sequencing of Circulating Cell-free DNA during Pregnancy
『New England Journal of Medicine、2018年』

(2) Chromosomal Microarray versus Karyotyping for Prenatal Diagnosis
『New England Journal of Medicine、2012年』

(3) Position Statement from the Aneuploidy Screening Committee on behalf of the Board
of the International Society for Prenatal Diagnosis『Prenatal Diagnosis、2015年』

(4) Gestational Age and Maternal Weight Effects on Fetal Cell-free DNA
in Maternal Plasma『Prenatal Diagnosis、2013年』

著者情報

著者:seeDNA 遺伝医療研究チーム
株式会社seeDNAにて新型出生前検査と遺伝子検査を行う専門家チームです。2016年には特許技術である微量DNA解析を用いた日本国内初の出生前DNA鑑定を開発しました。海外ロイヤリティフリーの新型出生前検査と次世代DNA鑑定の開発に成功した日本国内初の検査機関です。