非侵襲的出生前検査「新型出生前診断(NIPT)」とは|仕組み・検出疾患・倫理的課題まで徹底解説
リライティング日 : 2026年 01月 30日
【要約】
新型出生前診断(NIPT)は、妊娠10週以降のお母さんの血液中に含まれる胎児由来DNA(cffDNA)を解析することで、ダウン症などの染色体異常を高精度で判定できる非侵襲的な出生前検査です。本記事ではNIPTの仕組み、検出可能な疾患、倫理的課題、将来性について解説します。
目次
- はじめに
- NIPTとは
- NIPTで検出可能な疾患
- NIPTの倫理的な課題と考慮事項
- NIPTの将来性
- seeDNAの新型出生前診断(NIPT)
- よくある質問(FAQ)
- 参考文献
- seeDNAのサポート
著者

出生前の胎児DNA鑑定(NGS)担当T
所属:株式会社seeDNA 検査部
はじめに

近年、技術の進歩により、お母さんとお腹の赤ちゃんにリスクをほとんど与えずに赤ちゃんの健康状態を詳しく調べることができるようになりました。それが「非侵襲的出生前検査」や「新型出生前診断(NIPT)」と呼ばれる遺伝子検査です。
NIPTは、妊娠初期のお母さんの血液を調べることで、赤ちゃんの先天的な異常や染色体異常のリスクを高い精度で判定できる検査です(1)。
本記事では、NIPTの仕組み、利点、倫理的な問題、そして将来についてお話しします。
NIPTとは

NIPTは、妊娠中の母親の血液に含まれる「赤ちゃんのDNA(cffDNA:cell-free fetal DNA)」を解析することにより、ダウン症候群(21トリソミー)、エドワーズ症候群(18トリソミー)、パトウ症候群(13トリソミー)などのリスクを確認できます(2)。
妊娠10週目以降の母体血の中から赤ちゃんのDNAを分離し、特定の遺伝的マーカーや異常を解析します。検査結果は6~8営業日で確認することができます。
また、侵襲的な羊水検査や絨毛膜検査と異なり、非侵襲的であるため母体や胎児へのリスクがありません。血清マーカー検査やエコー検査に比べて染色体異常の検出精度が非常に高く、例えばダウン症の検出率は99%を超えています(3)。
NIPTと他の出生前検査の比較
| 検査名 | 侵襲性 | 実施時期 | 検出精度 | 母体・胎児へのリスク |
|---|---|---|---|---|
| NIPT(新型出生前診断) | 非侵襲 | 妊娠10週以降 | 99%以上(ダウン症) | ほぼなし |
| 母体血清マーカー検査 | 非侵襲 | 妊娠15~18週 | 約80% | ほぼなし |
| エコー検査(NT測定) | 非侵襲 | 妊娠11~13週 | 約70~80% | なし |
| 絨毛検査(CVS) | 侵襲 | 妊娠11~14週 | 確定診断 | 流産リスク約1% |
| 羊水検査 | 侵襲 | 妊娠15~18週 | 確定診断 | 流産リスク約0.3% |
この高い精度により、現在ではNIPTが出生前スクリーニング検査として広く利用されています。
NIPTで検出可能な疾患
NIPTでは以下のような遺伝的疾患や染色体異常を検出できます。
21トリソミー(ダウン症候群)
21番染色体が3本ある状態。約700人に1人の頻度で発生し、知的発達の遅れや特徴的な顔貌、心疾患などを伴うことがあります。
18トリソミー(エドワーズ症候群)
18番染色体が3本ある状態。重度の発達障害や心臓奇形を伴うことが多く、出生前後の生存率が低い疾患です。
13トリソミー(パトウ症候群)
13番染色体が3本ある状態。多発奇形や中枢神経系の異常を伴い、生命予後が厳しい疾患です。
性染色体異数性
ターナー症候群(モノソミーX)、クラインフェルター症候群(XXY)など。
微小欠失症候群
22q11.2欠失症候群(DiGeorge症候群)など。
NIPTでは妊娠初期に胎児の性別を確認することもできるため、性染色体に関連する遺伝性疾患のリスクの確認にも有効です。
NIPTの倫理的な課題と考慮事項
NIPTには多くのメリットがある一方で、いくつかの倫理的な問題も提起されています。例えば、NIPTの結果が性選択目的の中絶に利用される可能性です(4)。
また、NIPTはスクリーニング検査であり、確定診断ではありません。そのため、陽性の結果が出た場合は、羊水検査や絨毛膜検査といった侵襲的な検査で確認する必要があります。
NIPTを受ける際に考慮すべきポイント
- NIPTは確定診断ではなく、スクリーニング検査である
- 陽性の場合は侵襲的な確定検査が必要
- 結果に対する心理的負担への準備
- 遺伝カウンセリングの活用が望ましい
- 検査前に夫婦・家族でしっかり話し合うことが重要
NIPTの将来性
現在、NIPTの検査範囲を広げるための研究が進められています。例えば、嚢胞性線維症や鎌状赤血球症などの単一遺伝子疾患を検出するNIPTの研究が行われています。また、微小な染色体異常やモザイク現象も正確に検出できる解析技術の開発も進められています(3)。
seeDNAの新型出生前診断(NIPT)

seeDNAの新型出生前診断(NIPT)は、妊娠10週以降に母親の血液を使って検査を行います。年齢制限がなく、紹介状も不要であるため、手軽に世界最高レベルのNIPT検査結果を6~8日で受けることができます。
妊娠中の赤ちゃんの健康状態が気になりましたら、NIPT検査を行うことをお勧めします。
よくある質問(FAQ)
Q. NIPTはいつから受けられますか?
NIPTは妊娠10週以降に受けることができます。母体血中の胎児由来DNA(cffDNA)が十分量検出できる時期から実施可能です。
Q. NIPTで検出できる疾患は何ですか?
NIPTでは、ダウン症候群(21トリソミー)、エドワーズ症候群(18トリソミー)、パトウ症候群(13トリソミー)、性染色体異数性(ターナー症候群、クラインフェルター症候群など)、22q11.2欠失症候群などの微小欠失症候群を検出できます。
Q. NIPTの検出精度はどのくらいですか?
NIPTはダウン症候群の検出率が99%を超えるなど、従来の母体血清マーカー検査やエコー検査に比べて非常に高い精度を持つスクリーニング検査です。
Q. NIPTで陽性結果が出たらどうすればよいですか?
NIPTはスクリーニング検査であり、確定診断ではありません。陽性結果が出た場合は、羊水検査や絨毛膜検査といった侵襲的な確定検査を受けて確認することが推奨されます。
Q. NIPTは母体や赤ちゃんに危険はありませんか?
NIPTは母体血を採血するだけの非侵襲的な検査であり、羊水検査や絨毛膜検査と異なり、母体や胎児への流産リスクはほとんどありません。
参考文献
(2) Non-Invasive Prenatal Testing: Current Perspectives and Future Challenges『PMC、2021年1月』
(3) Non-invasive prenatal testing: a revolutionary journey in prenatal testing『PMC、2023年11月』
(4) Non-invasive prenatal testing『RACGP - Australian Family Physician、2017年10月』
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