非侵襲的出生前検査「新型出生前診断(NIPT)」について
著者
出生前の胎児DNA鑑定(NGS)担当T
所属:株式会社seeDNA 検査部
はじめに
近年、技術の進歩により、お母さんとお腹の赤ちゃんにリスクをほとんど与えずに赤ちゃんの健康状態を詳しく調べることができるようになりました。それが「非侵襲的出生前検査」や「新型出生前診断(NIPT)」と呼ばれる遺伝子検査です。
NIPTは、妊娠初期のお母さんの血液を調べることで、赤ちゃんの先天的な異常や染色体異常のリスクを高い精度で判定できる検査です。
本記事では、NIPTの仕組み、利点、倫理的な問題、そして将来についてお話しします。
NIPTとは
NIPTは、妊娠中の母親の血液に含まれる「赤ちゃんのDNA(cffDNA)」を解析することにより、ダウン症候群(21トリソミー)、エドワーズ症候群(18トリソミー)、パトウ症候群(13トリソミー)などのリスクを確認できます。
妊娠10週目以降の母体血の中から赤ちゃんのDNAを分離し、特定の遺伝的マーカーや異常を解析します。検査結果は6~8営業日で確認することができます。
また、侵襲的な羊水検査や絨毛膜検査と異なり、非侵襲的であるため母体や胎児へのリスクがありません。血清マーカー検査やエコー検査に比べて染色体異常の検出精度が非常に高く、例えばダウン症の検出率は99%を超えています。
この高い精度により、現在ではNIPTが出生前スクリーニング検査として広く利用されています。
NIPTで検出可能な疾患
NIPTでは以下のような遺伝的疾患や染色体異常を検出できます。
21トリソミー(ダウン症候群)
21番染色体が3本ある状態。
18トリソミー(エドワーズ症候群)
18番染色体が3本ある状態。
13トリソミー(パトウ症候群)
13番染色体が3本ある状態。
性染色体異数性
ターナー症候群(モノソミーX)、クラインフェルター症候群(XXY)など。
微小欠失症候群
22q11.2欠失症候群(DiGeorge症候群)など。
NIPTでは妊娠初期に胎児の性別を確認することもできるため、性染色体に関連する遺伝性疾患のリスクの確認にも有効です。
NIPTの倫理的な課題と考慮事項
NIPTには多くのメリットがある一方で、いくつかの倫理的な問題も提起されています。例えば、NIPTの結果が性選択目的の中絶に利用される可能性です。
また、NIPTはスクリーニング検査であり、確定診断ではありません。そのため、陽性の結果が出た場合は、羊水検査や絨毛膜検査といった侵襲的な検査で確認する必要があります。
NIPTの将来性
現在、NIPTの検査範囲を広げるための研究が進められています。例えば、嚢胞性線維症や鎌状赤血球症などの単一遺伝子疾患を検出するNIPTの研究が行われています。また、微小な染色体異常やモザイク現象も正確に検出できる解析技術の開発も進められています。
参考文献
・Non-Invasive Prenatal Testing: Current Perspectives and Future Challenges - PMC (nih.gov)
・Non-invasive prenatal testing: a revolutionary journey in prenatal testing - PMC (nih.gov)
・RACGP - Non-invasive prenatal testing
seeDNAの新型出生前診断(NIPT)
seeDNAの新型出生前診断(NIPT)は、妊娠10週以降に母親の血液を使って検査を行います。年齢制限がなく、紹介状も不要であるため、手軽に世界最高レベルのNIPT検査結果を6~8日で受けることができます。
妊娠中の赤ちゃんの健康状態が気になりましたら、NIPT検査を行うことをお勧めします。
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